比婆荒神神楽(ひばこうじんかぐら)
種別1:民俗芸能
種別2:神楽
公開日:式年のもの以外で、年中、秋から旧暦の年末までが多い
指定日:1979.02.03(昭和54.02.03)
都道府県:広島県
所在地:比婆郡東城町・西城町、神石郡神石町・油木町など

比婆荒神神楽は、広島県比婆郡の東部で行われる、本山三宝荒神(もとやまさんぽうこうじん)をまつる祖霊信仰の神楽である。

この地域には中世の名残りとみられる「名(みょう)」のかたちがそのまま残っており、「名」の信仰の中心として本山三宝荒神が存在する。

本山三宝荒神は「名」全体の祖霊神であり、守護神・産土神としての性格をもつことから、その信仰はひじょうに厳しく、そのため毎年おこなう小神楽と式年の大神楽は、名内(みょうない)の人びとが最も盛大に厳粛におこなってきた。

7年目・9年目・13年目・17年目・33年目に行われる式年の荒神神楽には4日間にわたる大神楽を、その他の場合は2日間の小神楽を行うのが例である。

祭りの中心を担う大当屋(頭屋)に荒神を迎え、土公神や荒神関係の祭りを行い、その後高殿に移り、「七座神事」「神能」(大蛇退治・岩戸開・大社・荒神・日本武など)をはじめ五行舞、神懸りと託宣、竜押し、荒神の送り返しなどを執り行なう。

荒神神楽は、鎮魂(ちんこん)の要素を残しているのが特色といわれ、とくに託宣(たくせん、神がかり)の神事を伝えていることは全国的にみても重要である。採物神楽の一つとして地方的特色が顕著で重要なものである。

この荒神神楽を演じる場合は、もとは田の中などに高殿を仮設し、それを主舞所としたが、今日では高殿のかわりに神社の拝殿や民家を用いることもある。

保護団体名:比婆荒神神楽保存会
重要無形民俗文化財「比婆荒神神楽」 - 広島、本山三宝荒神をまつる祖霊信仰の神楽
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