塩原の大山供養田植(しおはらのだいせんくようたうえ)
種別1:民俗芸能
種別2:田楽
公開日:4年ごとの5月31日(超レア:次回は2018年)
指定日:2002.02.12(平成14.02.12)
都道府県:広島県
所在地:庄原市(旧・東城町大字塩原)

塩原の大山供養田植は、広島県庄原市(旧 東城町大字塩原)に伝わる民俗芸能の田楽である。

太鼓や歌の囃子に合せて共同で田植えをし、併せて鳥取県にある名峰伯耆大山の牛馬守護信仰を背景に農作業で使った牛馬の供養も行う。

田植踊、牛馬供養、牛による田の代かき、太鼓と歌にあわせた田植と、翌日の大仙神社(多飯が辻山)へのお札納めで構成される。

苗を等間隔に植えるための見当として、早乙女たちの手前の田の上に、適切な間隔に目印を付けた綱を横一杯に張る。

3名の男性が、綱の両端と中央につけた棒で綱を引きあいながら田に押しつける。音頭取の拍子木の合図で田植が始まる。

サゲの太鼓にのせて音頭取が歌の前半を歌い、後半を早乙女たちが歌いながら苗を植える。

一つの歌で、その列の田植が終わると、綱を一幅分下げ、早乙女たちが一歩後退し、次の歌に移って苗を植えていく。ササラスリは、早乙女の腰をササラの棒で突いたりして笑いを誘う。

従来、田植の終わる時期に随時行われていたが、1985年(昭和60年)から塩原地区の石神社前の水田で 4年目毎の5月31日に公開されている。

楽器や歌で囃す田植は平安時代の『栄花物語』などにみられ、現在でも広島県西部の安芸地方では「安芸のはやし田」や「壬生の花田植」などが伝えられている。

安芸のはやし田は、太鼓の打ち手が体をそらせたり互いにバチを投げ合って交換するなど華やかに行われるが、大山供養田植はそれらとは異なり太鼓を主とした囃子方は田の中には入らずあぜで囃し、農作業を効率的に行うために太鼓と歌で田植の調子を整えた実際的な田植を継承したもので、芸能的に華やかに展開する以前の田植の様子を示している。

保護団体名:小奴可地区芸能保存会
重要無形民俗文化財「塩原の大山供養田植」 - 太鼓や歌の囃子に合せて田植え
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