全国唯一神名が県名になった「愛媛」の神を祀る、通称・椿神社
[住所]愛媛県松山市居相2-2-1
[電話]089-956-0321

伊豫豆比古命神社(いよずひこのみことじんじゃ。いよづひこのみことじんじゃ。伊予豆比古命神社)は、愛媛県松山市にある神社。地元では椿神社、椿さんとも。参拝すれば、御朱印を頂ける。

延喜式』巻9・10神名帳 南海道神 伊予国 伊予郡「伊予神社(伊豫神社)」(名神大社)、「伊予豆比子命神社(伊豫豆比古命神社)」(小社)に比定される式内社の論社。

ただし、「伊予神社」は『延喜式』臨時祭「名神祭」には掲載されていない。近代社格では県社、現在は神社本庁の別表神社

御祭神は、伊豫豆比古命(男神・いよずひこのみこと)、伊豫豆比売命(女神・いよずひめのみこと)、伊与主命(男神・いよぬしのみこと)、愛比売命(女神・えひめのみこと)。

伊与主命は『先代旧事本紀』「国造本紀」に久米国造とある。伊豫豆比古命と伊豫豆比売命の夫婦の子、あるいは子孫が伊与主命か。愛比売命は県名「愛媛」の由来。

神名に由来する県名は全国で愛媛のみという。

社伝では、第7代孝霊天皇の御代に鎮座したとされ、昭和37年(1962年)には御鎮座2250年祭が、平成24年(2012年)には御鎮座2300年祭が行われた。

「往古、伊豫豆比古命・伊豫豆比売命の二柱の神様が舟山に御舟を寄させ給い、潮鳴栲綱翁神が纜を繋いでお迎えした」との伝説が示すように、当社周辺は一面の海原だった。

津の脇の神社、すなわち「つわき神社」が時間の経過とともに「つばき神社」と訛った、との学説がある。

一方で、現在も境内一帯に藪椿を主に、各種の椿が自生しており、「椿の神社」つまり「椿神社」と呼ばれるとも。

舟山は、現在の社殿左側の丘を称する名前で、地名は神社の社地が丘をなす場合広く使われた。

江戸時代には松山藩主・久松氏の篤い崇敬を受けた。現在では開運縁起・商売繁昌の御利益がある神として、崇敬者は全国に広がるという。

境内社に、勝軍八幡神社、御倉神社、児守神社、奏者社がある。

このうち、奏者社には先の潮鳴栲綱翁神の出迎えに関する伝承があり、当社参拝に際しては、奏者社を最初に参拝する取り決めがある。

現在は、旧暦正月8日を例祭日として、その前後の3日間、「椿まつり」と呼ばれる大規模な祭典が斎行される。

従前は旧正月8日のみが斎行日だったため、古老は現在も「お八日」(おようか)と称しているという。

なお、当社は進藤彦興『詩でたどる日本神社百選』に掲載されている。

伊豫村大明神とも称していたために式内社「伊予神社」の論社となっているが、有力な論社に伊予郡松前町の伊予神社や、伊予市にも伊予神社がある。

なお、松前町の伊予神社は、式内社「伊予豆比子命神社」の論社でもある。

【ご利益】
開運縁起、商売繁昌(公式HP
伊豫豆比古命神社 - 全国唯一神名が県名になった「愛媛」の神を祀る、通称・椿神社
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