備中神楽(びっちゅうかぐら)
種別1:民俗芸能
種別2:神楽
公開日:井原市、総社市、高梁市のイベントや岡山市の劇場など
指定日:1979.02.03(昭和54.02.03)
都道府県:岡山県
所在地:高梁市

岡山県の備中地方を中心に郷土芸能として行われている。旧来の荒神神楽に高梁市出身の神官で国学者の西林国橋が文化(1804年-1818年)・文政(1818年-1830年)年間、神代神楽を加えて完成された神楽である。

現在では郷土芸能としてだけではなく、備中地方の各地区で田舎芸能として行われ、住民に親しまれている。

備中地方では古来より荒神に奉納する神楽として荒神神楽が行われていた。これは主に猿田彦の舞・剣舞を中心としており、現在の備中神楽のように郷土芸能というよりは、より神事に近いもので、神職のみが行っていた。

しかし、文化・文政年間に京都で国学を学んでいた西林国橋が古事記・日本書紀・古今和歌集などを参考に、能・狂言・歌舞伎など成熟しつつある芸能を取り入れて演芸性の高い神代神楽を加え、それまで神職のみが行っていたものを神職外の神楽太夫などが奉納するようになった。

現在人気のある「天岩戸開きの段」「大国主命の国譲りの段」「須佐之男命大蛇退治の段」は幕末に西林国橋が新様式に整えたものである。

特に茶利である松尾大明神(まつのおだいみょうじん)と太鼓奏者との漫才のような掛け合いが独特で人気がある。

保護団体名:備中神楽成羽保存会
重要無形民俗文化財「備中神楽」 - 旧来の荒神神楽に、江戸期に神代神楽を加味
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