百済が日韓交流の原点 - 東京新聞2015年6月24日
世界文化遺産の登録を巡って、日本の「明治日本の産業革命遺産」にケチをつけてきた韓国ですが、韓国自身も「百済遺跡遺産」の登録を進めています。この申請資料を探しているのですが、見つかりません。ハングルならあるのでしょうか? ハングルであったとしても読めないですが。

今回のように、日本と韓国は、歴史に対する考え方含め、全く相容れないものがあります。どちらかといえば韓国の方が問題で、「こうであるべきだ」という理念の上で歴史を組み立て、論述するから、おかしなことになってくるし、その言い分はほぼ耳に傾ける必要がないものばかり。

朝鮮通信使についてが好例

「明治日本の産業革命遺産」と「百済遺跡遺産」が何やら政治的な取引の材料にされた感がある今回の日韓のやり取り。安倍内閣らしくない弱腰。そんなに50周年に気を遣ったわけではないだろうが、米国などから圧力でもあったものか。

まあ、それはよいとして、腑に落ちないのは、「明治日本の産業革命遺産」に反対されたからと言って、日本が「百済遺跡遺産」に反対する、ということは、常識的に考えてありえません。

「百済遺跡遺産」が本当に問題なければ、別に反対する理由は日本にはないわけです。

なのに、なぜ韓国はむきになって、あれだけ反発していた「明治日本の産業革命遺産」への反対姿勢を転換して、「百済遺跡遺産」への後押しを日本に要請してきたのか。

「百済遺跡遺産」の申請資料やその内容に、もしかすると、日本では全く通説になっていない、あるいは検討外とされるような、でも韓国では「こうであるべきだ」という理念に基づいて定着している日本に関わるストーリーが盛り込まれている、という可能性はないでしょうか?

韓国のテレビニュースを紹介しているこちらに記載されている程度の内容であれば、何も問題ありません。

朝鮮通信使のような比較的新しい時代でも、先に紹介したような大きな齟齬がみられるのに、「奈良百済」の言い方や、ここでの記述が、どこまで韓国で定着したものなのか、そして今回の申請内容に反映しているものなのか。

以上の点、日本ではあまり不安視、警戒する向きがないのが気がかりで、杞憂であればよいのですが、東京新聞2015年6月24日では無邪気に「百済が日韓交流の原点」などと論じています。

韓国はそんなお人好しではなく、極めて悪辣。

一応の解決を見てしまうと、そうした警戒がすっぽり抜け落ちて、浮足立つ傾向が日本にはあります。東京新聞に限らず、多くの日本のメディアが能天気とも思える論調を次々に発表する一方、「日本が譲歩した」と韓国メディアは大々的に報じて、既定事実化するのに余念がありません。

韓国が何か仕掛ける(「百済遺跡遺産」への後押しを要請)ならば、その裏には必ず何かある。

日本では認知されていないような古代東アジア世界の説が、「百済遺跡遺産」の申請資料に盛り込まれ、宋とも知らずに日本はそれをあろうことかバックアップまでし、それが「世界文化遺産」の看板のもとで認知されてしまったら、と不安でならず、申請資料に当たりたい訳です。

それが、現在大手を振るっている、上記の東京新聞の論説にもみられるような、古代東アジアでは半島→日本の一方的な受容だった、という説の強化という程度にとどまったとしても(韓国のやり口から言えば軽微なほうか)、歴史の真実隠ぺいと日本の国益侵害につながります。

当時の百済に、日本の墓制とも言うべき前方後円墳が輸出されていた、このことをどう説明するのか。少なくとも当時の一部の日本人が百済の朝廷内で重きをなしていた、というように理解されなければ、このことは説明できません。

もちろん、日本の外務省なり、関連部門がすでに確認済みのことで、問題ない、と判断したものなのかもしれませんが。

決まってから騒いでも覆すのは難しい。慰安婦問題の教訓です。

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