史跡安満遺跡 - 高槻市
大阪府高槻市の安満遺跡から弥生時代前期(およそ紀元前300年-紀元前200年)のものとみられる水田と墓の跡が見つかりました。この遺跡では、これまでに住居の跡も発掘されていて、専門家は稲作とともに定住生活が始まったころの暮らしを物語る貴重な資料として注目しています。NHKが報じています。画像は安満遺跡を紹介する高槻市公式サイトのページ(出典:高槻市)。

国の史跡であり、平成31年の第一次開園を目指して史跡公園を整備中の安満遺跡では、市の教育委員会が2014年9月から発掘調査を行っていました。

今回、およそ35メートル四方の範囲から水田の跡が検出。一つの水田は広さが10平方メートルから60平方メートル余りの長方形で、57枚が確認されたとのことです。

幅20センチほどのあぜにより整然と区分され、出土した植物から、およそ2500年前と判断されているようです。であれば、もしかすると弥生時代前期に先行する弥生時代草期に相当するのかもしれません。

また、近くでは木や土器で作られた棺も見つかり、墓だったとみられています。

この遺跡では、これまで、ほりで囲まれた住居の跡、環濠集落も見つかっていて、高槻市教育委員会は、弥生時代前期とみられる水田と墓、それに住居の跡がそろって見つかるのは全国でも珍しいということです。

報道によれば、大阪大学の福永伸哉教授は下記のように話しているとのこと。

「当時は、稲作に加え、近くで動物を取るなどして、多様な食生活を営んでいたと考えられる。

後の古墳時代や古代のように人々の間に階層ができ、上下関係が厳しい時代ではなく、集落の人たちが協力して新しい技術や道具を使い、稲作を続ける暮らしが営まれていたのではないか」