新潟の彌彦神社、姫路の賀野神社、福岡の英彦山神宮
日本三彦山の信仰を支える三神社の位置関係
三彦山(さんひこやま)とは、新潟県の弥彦山(やひこやま)、兵庫県の雪彦山(せっぴこさん)、福岡県の英彦山(ひこさん)を指す。いずれも名前に「彦」が付いていること、また、古くからの修験道の聖地であること。その信仰を支えている三つの神社が、彌彦神社、賀野神社、英彦山神宮である。

神奈備(かむなび)や磐座(いわくら)への信仰、それらを包括する山岳信仰と仏教が習合し、さらには神仙思想や密教などの要素も加味されて確立した日本独特の宗教、それが修験道である。

その聖地として、熊野三山出羽三山など、日本各地にあるが、三彦山もそれぞれ興隆を極めた。

明治以前は、主に仏教寺院が建立されて、修行場となっていることが多かったが、明治維新の神仏分離令、さらに修験禁止令によって、現在では神社を中心とした信仰として、地元に定着していることが多い。

中でもその三彦山の信仰を支えている三つの神社は、新潟、兵庫、福岡をほぼ直線上に、ほぼ等間隔に並んでいるのも特徴。

弥彦山 彌彦神社

彌彦神社 - 御祭神はニギハヤヒの子、オオビコとの説も 武人から崇敬される越後国一宮
[所在地]新潟県弥彦村
[社 格]式内名神 - 越後国一宮 - 国幣中社
[御祭神]天香山命
[ご利益]越後開拓の神、縁結び

雪彦山 賀野神社

賀野神社 - 修験道の聖地・雪彦山の信仰の支え、応神期に創祀、推古期に現在地へ
[所在地]兵庫県姫路市
[社 格]郷社
[御祭神]伊邪那岐命伊邪那美命高皇産霊神神皇産霊神誉田天皇
[ご利益]身体壮健、縁結び、良縁など

英彦山 英彦山神宮

英彦山神宮 - 英彦山中岳を本社とし、全域に摂末社が点在、主祭神はアメノオシホミミ
[所在地]福岡県田川郡添田町
[社 格]官幣中社 - 神宮号
[御祭神]正哉吾哉勝速日天忍穂耳尊伊佐奈伎尊伊佐奈美尊
[ご利益]農業生産、鉱山、工場の安全

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