東日本最古・最大級の高尾山古墳を取り壊さないで!
静岡県沼津市が都市計画道路の建設のために破壊の方向で進めている高尾山古墳(同市東熊堂(くまんどう)、前方後方墳、古墳時代前期の3世紀半ば)について、古墳の保存を求める市民グループ三団体が相次いで発足したと言います。「高尾山古墳を守る市民の会」(市民の会)、「高尾山古墳を考える会」(考える会)、「高尾山古墳の保存を望む会」(望む会)。中日新聞が報じています。画像は「望む会」のインターネットでの署名サイト(出典:change.org)。

「市民の会」については、本サイトでも報じていましたが、それぞれ特徴があります。「市民の会」は現地市民の方々によるもの、「考える会」は日本考古学協会に属している方々が中心に、「望む会」は市内外の声を幅広く集めようと、署名サイトchange.orgなどを通じて活動しています。

市民、考古学協会、ネットと、それぞれの手法で大きなうねりになりつつあります。

市議会が今月、古墳の発掘調査費を盛り込んだ市補正予算案を可決すれば、市は記録保存の「全面発掘」を名目に、2015年7月から古墳を削り取る作業に取り掛かります。この予算化の審議の前に、三団体は6月16日、陳情書を提出します。

畿内と遠く離れたこの地にある、3世紀前半の古墳時代最初期に築造された、60メートルを超える前方後方墳。築造は紀元230年、埋葬は同250年

当時、この地にはどのような豪族が存在し、治めていたのか。畿内・大和朝廷との関係は? 日本の成り立ちを考える上で極めて貴重な遺跡です。何とか保存の方向に動くと良いのですが。

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