海水が湧き出る言い伝え、往事は春日大社と同等の社格を有した古社
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[住所]奈良県吉野郡吉野町河原屋356
[電話]0746-32-2717

大名持神社(おおなもちじんじゃ)は、奈良県吉野郡吉野町にある神社。上市の東、旧伊勢街道と旧東熊野街道の分岐点にそそり立つ妹山(260メートル)に鎮座。

『延喜式神名帳』にある「大名持神社(大和国・吉野郡)」に比定される式内社(名神大社・月次相嘗新嘗)。近代社格では郷社。

上市の集落から望む妹山の山容は、文字通りの円錐形で、古来神体山と仰いだ古い原始的民俗信仰に由来するこの山を忌山と呼ばれて樹叢へ斧を入れない禁忌的信仰は今もなお続いている。

創建は不詳。貞観元年(859年)正月27日正一位の神階を授けられる。この時期で正一位の極位を受けているのは大和国内では外に春日大社(奈良市)のみ。

当社下の吉野川潮生淵に毎年6月30日に海水が湧き出るとの伝えがあり、この淵で禊をする大汝詣りが今日も続いている。

御祭神は、大名持命(おおなもちのみたまのかみ)、須勢理比咩命少彦名命

少彦名命は『万葉集』巻七の「大穴道少御神のつくらしし、妹背の山を見らくしよしも」にちなんで後世に合祀されたものといい、また脊山の神でないかとの説もある。

『大和志』は、御所市朝町宮山の大穴持神社は、三輪明神と称し、霊畤はただ拝殿と鳥居のみで宮屋(神殿)を設けてないのは故実によるためだと、紳殿のないことが古代祭祀の本姿としている。

今の社務所の場所に元、神宮寺があり、大海寺といったが、経蔵も今の社宅の背後にあったが、明治初年廃された。

神宮寺の本地仏十二社権現像はじめ仏具汁物は、河原屋の仏国寺に移され、正平14年(1359年)、南朝方の僧雲祥一筆書の大般若経600巻は、今川上村東川運川寺に移されている。

古来当社は竜門郷21カ村の郷社で10月17日が例祭。かつての集会祭には氏子総代21人が参拝祭典の後、年間の郷内諸事を協議した。

妹山樹叢は天然記念物に指定されているが、山中に腐植土が約50センチも堆積し、暖地性植物はじめ珍稀な植物が自生している。

境内神社には、若宮神社(事代主神)、水神社(岡象女神)、金比羅神社(金山彦神)、稲荷神社(稲蒼神)の各社がある。

【ご利益】
家内円満、良縁、縁結び、医薬、病魔退散
大名持神社 - 海水が湧き出る言い伝え、往事は春日大社と同等の社格を有した古社
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