一言の願いを聞き届けてくれるヒトコトヌシと雄略天皇を祀る
[住所]奈良県御所市森脇字角田432
[電話]0745-66-0178

葛城一言主神社(かつらぎひとことぬしじんじゃ)は、奈良県御所市森脇にある神社。大和葛城山の東南麓にあり、東向きに鎮座する。

『延喜式神名帳』にある「葛木坐一言主神社(大和国・葛上郡)」に比定される式内社(名神大社・月次相嘗新嘗)。近代社格では県社

神名帳の他に、『延喜式』巻3「臨時祭」祈雨神祭条に「一言主社一座」とあり、祈雨神祭85座に含まれる。

御祭神の一言主神(ひとことぬしのかみ)は『古事記』にも登場する神で、「悪事(まがごと)も一言、善事(よごと)も一言、言い離(はな)つ神」と自己紹介している。

そのため、願い事を一言のみ叶えてくれるという信仰を集めて「一言さん(いちごんさん)」と呼ばれ、親しまれている。

御祭神は一言主大神であるが、大泊瀬幼武尊(第21代雄略天皇)を合祀している。これは『古事記』などにあるように、雄略天皇が顕現した一言主神と邂逅したことによる(『古事記』該当部分)。葛木神社にも伝承が残る。

神名や、託宣神としての神格の類似性から一言主神と事代主命を同一視する説もある。

さらには高鴨神社に代表される、近隣に出自を持つ賀茂氏に信仰された味耜高彦根命もその分身として習合するケースもみられる。

味耜高彦根命と一言主神を祀る神社に高知の土佐神社がある。

鎮座地は前述の話における一言主神が顕現した地。裏山である神山こそが顕現の地「カミタチ」であるとも伝わる。神社一帯は葛城氏の本拠地で、第2代綏靖天皇の皇居(高丘宮<葛城の高岡宮>)跡が残る。

嘉祥3年(850年)に正三位、貞観元年(859年)に従二位と神階が進められていった。神宮寺として一言寺が存在したが、明治の神仏分離で廃された。

御神木は樹齢1200年というイチョウの古木(乳銀杏)で、本殿の南側にある。境内社は本殿の北側に、出雲社、八幡社、天満神社、住吉神社、祓戸神社、一言稲荷神社、市杵嶋姫神社の各社がある。

当社の1キロほど南に、築約100年の「旧名柄郵便局」がある。2015年5月にカフェを備えた「郵便名柄館」に衣替えしたのを機に、「はがきの名文コンクール」を企画した。

はがきを書く習慣を広めようとするもので、募集テーマは「一言の願い」。これは近隣の当社にちなむもの。

【ご利益】
一言の願いであれば何ごとでも聞き届けてくれる神(御所市観光
葛城一言主神社 - 一言の願いを聞き届けてくれるヒトコトヌシと雄略天皇を祀る
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葛城一言主神社の御朱印