一時は大和国最高位の式内名神大社、ミトシノカミなど農業神を祀る
[住所]奈良県御所市東持田269
[電話]0745-27-2013

葛木御歳神社(かつらぎみとしじんじゃ / かつらぎみとせじんじゃ)は、奈良県御所市東持田にある神社。

『延喜式神名帳』にある「葛木御歳神社(大和国・葛上郡)」に比定される式内社(名神大社・月次新嘗)。

御歳神(みとしのかみ)を主祭神とし、大年神(おおとしのかみ)と高照姫命(たかてるひめのみこと)を配祀する。

当社では、高照姫命について、大国主神の娘神で八重事代主神の妹神としつつも、下照姫命と同神の可能性を示唆している。

日本全国にある御歳神社、大歳神社の総本社とされる。葛城氏・鴨氏によって祀られた神社で、高鴨神社(高鴨社)、鴨都波神社(下鴨社)に対して「中鴨社」とも呼ばれる。

創建の由緒は不詳。当社の背後に御年山(みとしやま)があり、これを神体山として田の神を祀ったものとみられる。

最も古い記録は『新抄格勅符抄』の天平神護元年(765年)に「御年神十三戸、大和三戸、讃岐十戸」とある。

仁寿2年(852年)には、当時大和国で最高位となる正二位の神階を贈られた。また、水害の度に奉幣された記録もあり、風雨を司る神としても尊信された。

古代の朝廷では、祈年祭に、当社にだけ白猪・白馬・白鶏を献じたとされる。

平安時代以降、一帯は春日大社・興福寺の荘園となっており、当社は春日大社の影響下にあった。現在の本殿は、江戸時代に春日大社の本殿第一殿を移築したものである。

『日本三代実録』によれば、貞観8年(866年)、朝廷が任命した神官を当社が拒否したという。それ以降、大正時代まで神職は置かれていなかった。

【ご利益】
農業神、五穀豊穣の神、万物育成の神(公式HP
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