坂越の船祭(さこしのふなまつり)
種別1:風俗慣習
種別2:祭礼(信仰)
公開日:毎年10月第2土・日曜日(宵宮、本宮)
指定日:2012.03.08(平成24.03.08)
都道府県:兵庫県
所在地:大避神社(赤穂市坂越)
本件は、兵庫県赤穂市坂越にある、 秦河勝ゆかりの大避神社の祭礼で、神輿船を中心とする数多くの木造和船からなる船団が行列を組んで海上を巡行する大規模な船渡御祭である。
江戸時代初期、秦河勝が坂越に渡来した伝承を再現する祭りとして始まったと言われる。
宵宮は、獅子組が神社に参拝してお祓いを受けてから、大避神社の社殿で例祭の祭事が行われる。
次いで、磯洗いと称して、歌船組を乗せた船が坂越湾内を一周し、海上渡御の経路を清めて回る。
また、宵宮と本宮の午前中には、ハナトリと呼ばれる櫂伝馬による船競漕が奉納される。紅組、黄組の2艘の櫂伝馬がハナと呼ばれる浜に立てた笹竹を目指して、沖からの漕ぐ速さを何度も競い合う。
その後、夕方から宵宮祭となる。
翌日の本宮は、早朝から各町の頭人船が天幕や幟などで飾り付けられ、一方、櫂伝馬の男性たちは、ハナトリが終わると神社に参拝する。
昼頃からは、頭人をはじめとする諸役が神社に集まって祭事を行い、それが終わると、五人の頭人と神輿を中心に行列を組んで東之浜に向かう。
東之浜では、一行が到着すると、沖に待機していた二艘の櫂伝馬が浜に漕ぎ着け、漕ぎ手の若者たちがバタカケを行う。
バタカケとは、船渡御前の一種の余興で、神輿船に掛けるバタイタと呼ばれる7枚の板を使い、高く差し上げて数名がその上で踊ったり、垂直に立ててよじ登ったり、また、板ごと観衆に突き進んだりするなど種々の演技をみせる。
バタカケが終わると神輿が船に移され、各役がそれぞれの船に乗り込み、生島に向けて船団が出発する。生島には秦河勝の墓があるとされ、通常は現在でも人の立ち入りが禁じられている。
坂越浦の海運業の発達とともに伝承されてきた祭礼であり、華やかに飾られた数多くの祭礼船が登場する盛大な船渡御祭は、海上の御旅所に神輿を載せた船団が曳航する船祭の典型例と考えられるものである。
兵庫県下においては、大規模な船祭りの唯一の伝承例であり、また、瀬戸内海を代表する伝統的な船祭りとしても注目される祭りである。
また、櫂伝馬による船競漕や漕ぎ手によるバタカケなど船に関わる多彩な構成要素がみられるとともに、頭人と呼ばれる特色ある祭祀組織が維持されているなど地域的特色も顕著で、我が国の祭礼やその変遷を理解する上で重要である。
大阪天満宮の天神祭、安芸厳島神社の管絃祭とともに瀬戸内海三大船祭りの一つ。
保護団体名:坂越の船渡御祭保存会
【関連記事】
・瀬戸内海三大船祭りとは? - 大阪天満宮の天神祭、大避神社の船祭、厳島神社の管絃祭
・大避神社 - 秦河勝と、渡来集団秦氏のユダヤ伝説、10月に「坂越の船祭り」
・兵庫県の重要無形民俗文化財 - 都道府県別に整理
種別1:風俗慣習
種別2:祭礼(信仰)
公開日:毎年10月第2土・日曜日(宵宮、本宮)
指定日:2012.03.08(平成24.03.08)
都道府県:兵庫県
所在地:大避神社(赤穂市坂越)
本件は、兵庫県赤穂市坂越にある、 秦河勝ゆかりの大避神社の祭礼で、神輿船を中心とする数多くの木造和船からなる船団が行列を組んで海上を巡行する大規模な船渡御祭である。
江戸時代初期、秦河勝が坂越に渡来した伝承を再現する祭りとして始まったと言われる。
宵宮は、獅子組が神社に参拝してお祓いを受けてから、大避神社の社殿で例祭の祭事が行われる。
次いで、磯洗いと称して、歌船組を乗せた船が坂越湾内を一周し、海上渡御の経路を清めて回る。
また、宵宮と本宮の午前中には、ハナトリと呼ばれる櫂伝馬による船競漕が奉納される。紅組、黄組の2艘の櫂伝馬がハナと呼ばれる浜に立てた笹竹を目指して、沖からの漕ぐ速さを何度も競い合う。
その後、夕方から宵宮祭となる。
翌日の本宮は、早朝から各町の頭人船が天幕や幟などで飾り付けられ、一方、櫂伝馬の男性たちは、ハナトリが終わると神社に参拝する。
昼頃からは、頭人をはじめとする諸役が神社に集まって祭事を行い、それが終わると、五人の頭人と神輿を中心に行列を組んで東之浜に向かう。
東之浜では、一行が到着すると、沖に待機していた二艘の櫂伝馬が浜に漕ぎ着け、漕ぎ手の若者たちがバタカケを行う。
バタカケとは、船渡御前の一種の余興で、神輿船に掛けるバタイタと呼ばれる7枚の板を使い、高く差し上げて数名がその上で踊ったり、垂直に立ててよじ登ったり、また、板ごと観衆に突き進んだりするなど種々の演技をみせる。
バタカケが終わると神輿が船に移され、各役がそれぞれの船に乗り込み、生島に向けて船団が出発する。生島には秦河勝の墓があるとされ、通常は現在でも人の立ち入りが禁じられている。
坂越浦の海運業の発達とともに伝承されてきた祭礼であり、華やかに飾られた数多くの祭礼船が登場する盛大な船渡御祭は、海上の御旅所に神輿を載せた船団が曳航する船祭の典型例と考えられるものである。
兵庫県下においては、大規模な船祭りの唯一の伝承例であり、また、瀬戸内海を代表する伝統的な船祭りとしても注目される祭りである。
また、櫂伝馬による船競漕や漕ぎ手によるバタカケなど船に関わる多彩な構成要素がみられるとともに、頭人と呼ばれる特色ある祭祀組織が維持されているなど地域的特色も顕著で、我が国の祭礼やその変遷を理解する上で重要である。
大阪天満宮の天神祭、安芸厳島神社の管絃祭とともに瀬戸内海三大船祭りの一つ。
保護団体名:坂越の船渡御祭保存会
【関連記事】
・瀬戸内海三大船祭りとは? - 大阪天満宮の天神祭、大避神社の船祭、厳島神社の管絃祭
・大避神社 - 秦河勝と、渡来集団秦氏のユダヤ伝説、10月に「坂越の船祭り」
・兵庫県の重要無形民俗文化財 - 都道府県別に整理
コメント