宮城県栗原市築館にある古墳時代前期(4世紀)の入の沢遺跡から、勾玉(まがたま)や鉄製品など多種大量の副葬品が出土したことが2015年6月8日分かりました。権威の象徴である副葬品が古墳からではなく集落跡からまとまって見つかったのは、国内初だと言います。河北新報が報じています。動画は2014年12月、入の沢遺跡現地説明会(宮城県教育庁文化財保護課)の空撮の様子。

入の沢遺跡では、2014年12月にやはり集落跡から、銅鏡3枚が発掘されています。古墳時代前期の銅鏡では国内最北の出土例として注目が集まりました。

深い堀に囲まれた集落跡、つまり北方前線だった可能性があります。その有力者の墓に埋葬されるはずの副葬品が、墓からではなく、集落跡から出てきたわけです。

副葬品が作られ、確認され、その後何らかの手続きが踏まれて、墓に副葬されたことが予想されますが、その不透明部分の解明につながる可能性があります。

遺跡は国道4号築館バイパス建設予定地にあり、建設に先立つ発掘調査という位置づけでもあったようです。古墳時代前期のヤマト文化最北端と思われる遺跡ですので極めて貴重ですが、今後、建設か、保存か、保存しつつ建設か、などの議論が湧きそうです。

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