日本三大船神事の一つホーランエンヤ、松江城の守護神
[住所]島根県松江市殿町449−2
[電話]0852-21-1389

城山稲荷神社(じょうざんいなりじんじゃ)は、島根県松江市にある神社。小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)ゆかりで、12年に1度、日本三大船神事の一つであるホーランエンヤ(式年神幸祭)が行われることで知られている。

寛永15年(1638年)、徳川家康の孫である松平直政が松江に来た時、枕元に一人の美しい少年が現れた。その少年は下記のように告げて消えた。
私はあなたを全ての災厄からお守りする稲荷真左衛門です。城内に私の住む場所をお作りくださるなら、城内の建物はもちろん、江戸のお屋敷まで火事からお守り致しましょう
そこで直政は城内に稲荷神社を建てた。これが当社の創建。

松江藩守護神で、2015年に国宝に指定された松江城の火防の守護神でもある。御祭神は宇迦之御魂神譽田別尊

時代が下って、小泉八雲が当地に滞在していた折、当社の神札は火難除けとして、町中のどの家にも貼られていたため、この神札が「松江の唯一の防火設備」と驚き、その神札を大英博物館に送付した説話が知られている。

慶安元年(1648年)、天候不順が続き、これに心を痛めた直政は、当社の御神霊を船渡御によって出雲郷にある阿太加夜神社に移し、長期にわたり五穀豊穣の大祈祷を行わせた。祈願成就し、以来10年目ごとに御神幸が行われる慣しとなった。

神輿船の曳船として櫂伝馬船が加わるようになったのは、文化5年(1808年)の御神幸の際、大橋川から中海に出る馬潟沖で風雨が激しくなり、神輿船が危険になったのを馬潟の漁師が助けに出て、出雲郷まで無事送り届けたことに始まる。

その後、馬潟、矢田、大井、福富、大海崎の五つの地区の櫂伝馬船が神輿船の曳船をつとめることとなり、江戸末期からは12年目ごとの5月に斎行されることになった。

以上がホーランエンヤ(式年神幸祭)の始まりと定着である。

当社境内にはとにかく狐づくしの神社としても知られ、狛狐が多く配置されている。小泉八雲が特に好んだとされるものとして、随神門前の一対の石の狐がある。

なお、松江城址には当社の他に、神社として、松江護國神社松江神社がある。

【ご利益】
火防、松江の安寧、五穀豊穣、天候順調
城山稲荷神社(松江市) - 日本三大船神事の一つホーランエンヤ、松江城の守護神
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