東日本最古の天満宮で、交通安全祈願の発祥の地、武蔵国式内論社
[住所]東京都国立市谷保5209
[電話]042-576-5123

谷保天満宮(やぼてんまんぐう)は、東京都国立市にある神社。東日本最古の天満宮とされ、谷保天神とも。

延喜式』巻9・10神名帳 東海道神 武蔵国 多磨郡「穴澤天神社/穴沢天神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格は府社東京の天神さま32社の一社。

湯島天満宮亀戸天神社とともに江戸三大天神と言われるが、江戸と限定した場合、当社の代わりに平河天満宮を入れる方が妥当。

やはりよく言われる、通常は江戸三大天神と同じ意味と同じ神社で使われる関東三大天神の一社と考える方が妥当か。

また、いわゆる江戸二十五天神には諸説あるが、当社は、明治期の『菅原大神千年大祭図会』にある東京天満宮二十五社の一社に含まれている。

南武鉄道(現 JR南武線)が谷保駅の駅名を「やほ」としたため、地名の「谷保」までも「やほ」と言うようになってしまったが、本来の読み方は「やぼ」。

江戸時代の著名な狂歌師の大田蜀山人(南畝)が、「神ならば 出雲の国に行くべきに 目白で開帳 やぼのてんじん」と詠み、ここから「野暮天」または「野暮」の語を生じたと逸話に伝える。

『天満宮略縁記』(谷保天満宮蔵)によると、延喜3年(903年)2月に菅原道真が薨去した時、子息の道武は自ら像を刻み、廟を建てて祀ったのが当宮の創建だとされる。

延喜21年(921年)11月に道武が薨去すると、道武も相殿に合祀されたという。

主祭神は菅原道真、配祀神は菅原道武。また、石土毘古神(いわつちびこのかみ)、天之日鷲命(あめのひわしのみこと)、倉稲魂命を祀る。

なお、他の文献では道真の子に道武は確認できないとされる。ただし、埼玉県入間市の出雲祝神社にも道武の関連伝承が伝わり、付近にはそれにちなむ地名も残る。

明治41年(1908年)8月1日、有栖川宮威仁親王の運転する「ダラック号」を先頭に、国産ガソリン自動車「タクリー号」3台など11台が隊列を組み、日本初のドライブツアーであるとされる、甲州街道を立川までの遠乗会(当時の新聞では「自動車遠征隊」)が行われた。

当宮の梅林で昼食会が催され、いまも記念碑が残されており、当宮でも「交通安全発祥」と謳っている。

例祭は9月25日で、最も近い土日に万燈行列、花万灯、古式獅子舞が催される。また、100年に一度、大祭が行われる。11月3日に、うそ替え神事や庭燎祭(ていりょうさい)が行われる。

国の重要文化財に指定されている「木造扁額(額文「天満宮」)」「木造獅子狛犬」がある。

府中市の小野神社などを兼務している。

なお式内社「穴澤天神社(穴澤神社/穴沢神社)」の論社には他に、稲城市矢野口の穴澤天神社、奥多摩町氷川の羽黒三田神社、あきる野市深沢の穴沢天神社がある。

【ご利益】
厄除け、交通安全、学問成就、試験・受験合格など
谷保天満宮 - 東日本最古の天満宮で、交通安全祈願の発祥の地、武蔵国式内論社
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