壱岐国の代表的式内社を七社巡る 神功皇后の伝承や桓武期の八幡勧請
壱岐七社
壱岐七社(いきななしゃ)とは、壱岐国の式内社の中の七つの神社の総称。壱岐七社めぐり、壱岐国七社、壱岐島大七社など。現在の長崎県壱岐市、九州本土と対馬島の間に浮かぶ壱岐島内。

神功皇后の三韓征伐か、桓武天皇の御世における八幡勧請か、が由緒となっていることが多く、住吉、八幡の比率が高い。いずれも江戸期、平戸藩主が特別に崇敬した神社。そのため、国主直参社などとも。いずれも例祭などでは神幸式、流鏑馬の神事があり、城代が参詣した。参考として壱岐国一宮とされる天手長男神社は含まれていない。

古代から、少なくとも近世、あるいは近代まで、朝鮮半島も考慮に入れた上で、日本にとって壱岐は要衝中の要衝。そこに多くの神社が建てられ、その一つ一つが朝廷から極めて重視され、結果的に現在、1000年以上にわたって厚く祀られてきた神社ばかりであり、大いなるパワースポットの数々とも言える。

現在でも、正月に豊作、大漁、家内安全、健康長寿を祈願して七社参りする島内外の住民は多い。一説には、七社参りをする時には、時計回りに参拝し、後ろを振り向いてはいけない、とされている。そのように言われている回り順で、一覧にしてみた。

住吉神社 (芦辺町住吉東触)

住吉神社(壱岐) - 神功皇后が遠征帰途に創祀した、「日本初の住吉神社」
[社 格]式内名神 - 国幣中社
[御祭神]底筒男命中筒男命表筒男命
[ご利益]海上・交通安全、勝運、必勝

本宮八幡神社 (勝本町本宮西触)

本宮八幡神社 - 壱岐七社の一つ、式内社「兵主神社」も、宇佐から勧請後は八幡へ
[社 格]式内名神 - 村社
[御祭神]住吉大神八幡大神聖母大神
[ご利益]漁業・海上安全、交通安全、大漁満足、安産など

聖母宮 (勝本町勝本浦)

聖母宮 - 壱岐国二宮、神功皇后の三韓征伐、清正の奉納 半島と風に縁のある古社
[社 格]式内名神 - 壱岐国二宮 - 郷社
[御祭神]息長足姫尊足仲彦尊住吉三神
[ご利益]戦勝、勝利の神、安産の神、海・風・開運・交通安全

箱崎八幡神社 (芦辺町箱崎釘ノ尾触)

箱崎八幡神社 - 元は式内「月読神社」、合祀や配祀を繰り返す、筥崎宮が勧請元
[社 格]式内名神 - 村社
[御祭神]天月神命、高産霊尊豊玉毘古命など
[ご利益]航海安全、大漁祈願、商売繁盛、縁結び、子授けなど

白沙八幡神社 (石田町筒城仲触)

白沙八幡神社 - タマヨリを御祭神とする式内社「海神社」、宇佐神宮からの勧請
[社 格]式内 - 郷社
[御祭神]玉依姫命応神天皇仲姫之命など
[ご利益]海上安全、良縁、安産、厄除け、開運など

國片主神社 (芦辺町国分東触)

國片主神社 - 国土を二分して国造り経営したスクナビコナを祀る壱岐七社の一つ
[社 格]式内 - 村社
[御祭神]少彦名命菅原道真
[ご利益]衣食豊穣、病気治癒、病魔退散、学問の神

興神社 (芦辺町湯岳興触)

興神社 - 式内社「與神社」か「天手長男神社」か おそらくは壱岐国一宮で総社
[社 格]式内 - 壱岐国一宮総社 - 村社
[御祭神]足仲彦命息長足姫命
[ご利益]産業振興、子宝、安産、子育て、満願成就、縁結び、家内安全

【関連記事】
神社いろいろ - 社格や形式などで神社を分類したまとめ - 九州の神社めぐり
御朱印 - 寺社で頂ける参拝者向けの印章・印影、もらい方やマナー、注意事項、寺社巡り
御朱印ガールとは? - 賛否両論も、今まで縁のなかった層の社寺めぐりを促進する効果
日本遺産「国境の島 壱岐・対馬 ~古代からの架け橋~」(平成27年度)(長崎県)
長崎県の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、長崎県に鎮座している神社の一覧