和泉国二宮は泉州紡績業の守護神、織田信長の朱印状が残る古社
[住所]大阪府泉大津市豊中町1-1-1
[電話]0725-32-2610

泉穴師神社(いずみあなしじんじゃ)は、大阪府泉大津市にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

延喜式』巻9・10神名帳 畿内神 和泉国 和泉郡「泉穴師神社」に比定される式内社(小社)。和泉国二宮で、和泉五社の一社。近代社格は府社

御祭神は天忍穂耳尊栲幡千千姫命という夫婦。天孫瓊瓊杵尊の両親に当たる。

泉井上神社(和泉市)の境内にある和泉国総社である五社総社では、当社の御祭神として、天忍穂耳尊を祀っている。和泉国では、総社と御祭神が一致する珍しいケース。

明治12年(1879年)『神社明細帳』では天富貴神(あめのふきのかみ)、佐古麻槌神(さこまつちのかみ)とされたが、明治27年(1894年)『神社明細帳』では上記御祭神となっている。

泉大津市は江戸時代に繊維産業が興り、現在に至るまで繊維産業が盛んな地で、栲幡千千姫命は織物に関係する神として知られている。毎年11月1日には栲幡祭が行われる。

社伝によると、当社は白鳳年間(7世紀中頃から後半)に創建されたとするが、神功皇后の時代に創建されたとも、初代神武天皇の東遷の際に始まるとも言われ、定かではない。

天平10年(738年)の和泉監正税帳(『正倉院文書』)によると、聖武天皇から社領を賜ったという。『日本三代実録』では、貞観7年(865年)に正五位下を授けられたとし、『類聚国史』では、貞観10年(868年)に従四位下を授けられたとする。

神名帳の他、『延喜式』巻11「玄蕃寮」に記載されている新羅から入朝した者に賜う神酒を作る工程の中で記された神社の一つか。

永万元年(1165年)の神祇官諸社年貢注文には、和泉五社の他の四社(一宮大鳥大社、三宮・聖神社、四宮・積川神社、五宮・日根神社)とともに都の神祇官に直属するとある。

元弘元年(1331年)には、楠木正成が当社に石燈籠を奉納。天正3年(1575年)には織田信長より社領安堵の朱印状が与えられ、慶長7年(1602年)には豊臣秀頼によって社殿が再建された。

明治6年(1873年)に郷社に列格し、明治27年(1894年)には府社に昇格。

昭和21年(1946年)、それまで毎年2月4日に行っていた春季大祭を4月5日に行うこととし現在に至る。なお、秋季大祭は10月に行われる。

【ご利益】
農耕・紡繊の繁栄、衣食の安定、虫封じ、厄除け、交通安全など(公式HP
泉穴師神社 - 和泉国二宮は泉州紡績業の守護神、織田信長の朱印状が残る古社
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泉穴師神社の御朱印