福岡県八女市の岩戸山歴史資料館の老朽化に伴い、市が2年前から建設を進めていた岩戸山歴史文化交流館が完成したと言います。国の史跡「岩戸山古墳」から出土した遺物を展示するほか、古墳を築造した筑紫君磐井(つくしのきみいわい)の紹介にも力を入れる予定で、6月から愛称を公募、11月下旬の開館を目指している。読売新聞が報じています。写真は岩戸山歴史資料館の公式サイトより(出典:岩戸山歴史資料館)
筑紫の君の磐井(筑紫国造磐井)は『古事記』にも記載されている人物です。この頃の『古事記』の記載は、天皇家の系譜のみの羅列に遷っているのですが、この乱だけ、特記されています。
第二十六代継体天皇の時代です。『古事記』には継体天皇が新王朝を樹立したなどとの記述、それを匂わせるようなものは一切なく、第十五代応神天皇の五世の孫として皇位を継承したと、淡々と記している一方で、この筑紫の君の磐井だけは登場してくるわけです。よほどの大事件だったことが分かります。
「天皇に従わない悪者」か、「郷土の英雄」か。どちらにしろ、結果的には勝者と敗者。敗者の古墳が残り、遺物が1500年の時を経て出土する、という国は、昨今のISISの遺跡破壊を例に引くまでもなく、世界広しと言えども日本ぐらいでしょう。
ISISの破壊活動が極端だと報じられていますが、歴史的に見れば(内心はもちろんあってはならないこととは思いますが)、自身の信仰にそぐわないものの破壊、というのは至極当たり前に行われてきたわけで、その意味では今現在のISISが歴史的に何か特別なことをやっているわけではありません。
そこから信仰や宗教が見えてくる、それが結局国民性がよりはっきりとわかってくる、ということですね。敗者の墓やその遺物が残り、敗者を「郷土の英雄」としてPRできる、というのも、そうした日本の世界に例をみない国民性の一つです。
いわば多様性。地方のこうした取り組みが、日本を元気にしていくことになると思います。
だから、神が宿る磐座の破壊、とか、貴重な古墳の破壊、とか、“開発”の名のもとでの蛮行は、その日本の良さを自ら損ねるものとなるものとして、悲しい気持ちになるわけです。
筑紫の君の磐井(筑紫国造磐井)は『古事記』にも記載されている人物です。この頃の『古事記』の記載は、天皇家の系譜のみの羅列に遷っているのですが、この乱だけ、特記されています。
第二十六代継体天皇の時代です。『古事記』には継体天皇が新王朝を樹立したなどとの記述、それを匂わせるようなものは一切なく、第十五代応神天皇の五世の孫として皇位を継承したと、淡々と記している一方で、この筑紫の君の磐井だけは登場してくるわけです。よほどの大事件だったことが分かります。
「天皇に従わない悪者」か、「郷土の英雄」か。どちらにしろ、結果的には勝者と敗者。敗者の古墳が残り、遺物が1500年の時を経て出土する、という国は、昨今のISISの遺跡破壊を例に引くまでもなく、世界広しと言えども日本ぐらいでしょう。
ISISの破壊活動が極端だと報じられていますが、歴史的に見れば(内心はもちろんあってはならないこととは思いますが)、自身の信仰にそぐわないものの破壊、というのは至極当たり前に行われてきたわけで、その意味では今現在のISISが歴史的に何か特別なことをやっているわけではありません。
そこから信仰や宗教が見えてくる、それが結局国民性がよりはっきりとわかってくる、ということですね。敗者の墓やその遺物が残り、敗者を「郷土の英雄」としてPRできる、というのも、そうした日本の世界に例をみない国民性の一つです。
いわば多様性。地方のこうした取り組みが、日本を元気にしていくことになると思います。
だから、神が宿る磐座の破壊、とか、貴重な古墳の破壊、とか、“開発”の名のもとでの蛮行は、その日本の良さを自ら損ねるものとなるものとして、悲しい気持ちになるわけです。
コメント