静岡県沼津市は2015年5月25日、古墳時代初頭の前方後方墳「高尾山古墳」の大部分を取り壊す発掘調査を始める方針を市議会に報告しました。古墳の上を通る道路の計画変更が困難なため。日本考古学協会は同日午前に都内で記者会見し、高尾山古墳が「古墳文化形成を解明する上で極めて重要だ」と指摘。「日本の歴史において重要な価値がある」と工事の見直しと古墳の保全を求める声明を発表しました。産経新聞が報じています。写真は高尾山古墳の周辺の様子。
かの、箸墓古墳(奈良県・桜井市)と同時期、畿内から遠く離れたこの地に築造された、全長62メートルという比較的規模の大きい前方後方墳です。前々から取り壊しの情報のあった古墳ではありますが、急に現実味を帯びてきました。
宮内庁治定、国の史跡やそのほかの指定をまずは抜きにして、箸墓古墳を破壊しようなどと言ったらどうなるか。「箸墓と一緒にするなっ」という意見は至極もっともながら、ほぼ同時代のものと考えられる以上、歴史解明においては大雑把に言ってしまえば、同じレベルです。
箸墓はともかくとして、この高尾山古墳は、この地域の当時の歴史はもちろん、日本全体の古墳時代とは、そもそも何ぞや、という大きな命題解決にわずかかもしれませんが(そのわずかが、極めて大きい><)、寄与する可能性のある、全国的に見ても非常に貴重な古墳です。
そもそも、3世紀の遺跡を破壊しよう、という発想がまずわからない。道路を造るよりは、未来の日本のために、歴史の解明や知識普及に役立てた方が数十倍いいような。デジタル技術がもう少し進歩すれば別なのかもしれませんが、破壊したら取り戻せません。
解決策になるかどうか、兵庫県朝来市に池田古墳という古墳があります。国道によって、見事に分断されてしまった古墳の典型例として知られています。こういう風に無造作に古墳を破壊してしまった後になって、日本考古学史上でも銘記されるべき発見があったりします。
安易に破壊、という、いわば昭和方式から、もうハコモノの時代ではないと言われて久しい現在、ちょっと脱却したいものです。
【関連記事】
・卑弥呼の墓より先行する、最初期の高尾山古墳の破壊方針、ニュースまとめ - 静岡・沼津
・高尾山古墳、230年ごろ築の前方後方墳 埋葬は250年ごろ? 空白の20年 - 静岡・沼津
かの、箸墓古墳(奈良県・桜井市)と同時期、畿内から遠く離れたこの地に築造された、全長62メートルという比較的規模の大きい前方後方墳です。前々から取り壊しの情報のあった古墳ではありますが、急に現実味を帯びてきました。
宮内庁治定、国の史跡やそのほかの指定をまずは抜きにして、箸墓古墳を破壊しようなどと言ったらどうなるか。「箸墓と一緒にするなっ」という意見は至極もっともながら、ほぼ同時代のものと考えられる以上、歴史解明においては大雑把に言ってしまえば、同じレベルです。
箸墓はともかくとして、この高尾山古墳は、この地域の当時の歴史はもちろん、日本全体の古墳時代とは、そもそも何ぞや、という大きな命題解決にわずかかもしれませんが(そのわずかが、極めて大きい><)、寄与する可能性のある、全国的に見ても非常に貴重な古墳です。
そもそも、3世紀の遺跡を破壊しよう、という発想がまずわからない。道路を造るよりは、未来の日本のために、歴史の解明や知識普及に役立てた方が数十倍いいような。デジタル技術がもう少し進歩すれば別なのかもしれませんが、破壊したら取り戻せません。
解決策になるかどうか、兵庫県朝来市に池田古墳という古墳があります。国道によって、見事に分断されてしまった古墳の典型例として知られています。こういう風に無造作に古墳を破壊してしまった後になって、日本考古学史上でも銘記されるべき発見があったりします。
安易に破壊、という、いわば昭和方式から、もうハコモノの時代ではないと言われて久しい現在、ちょっと脱却したいものです。
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