京都祇園祭の山鉾行事(きょうとぎおんまつりのやまほこぎょうじ)
種別1:風俗慣習
種別2:祭礼(信仰)
公開日:毎年7月1日-29日
指定日:1979.02.03(昭和54.02.03)
都道府県:京都府
所在地:八坂神社(京都市東山区祇園)

京都祇園祭の山鉾行事は、その歴史の古さ、山鉾巡行の豪華絢爛さ、多くの市民が約1ヶ月にわたって多彩な行事を繰り広げる規模の大きさなど全国を代表する祭礼行事として世に知られ、現在各地でとり行われている6、7月頃の祇園祭・天王祭に多大な影響を与えてきたといわれる。

我が国の夏祭の発生や変遷を知る上に欠かすことのできない行事である。この行事は、京都市東山区祇園に祀られる八坂神社の祭りに際して行われる。

祇園祭は、京都三大祭葵祭時代祭)、日本三大祭(大阪の天神祭、東京の山王祭神田祭)、日本三大曳山祭高山祭秩父夜祭)、日本三大山車祭(高山祭、長浜曳山祭)の一つ。

八坂神社(明治以前は祇園社:祭神は牛頭天王・素盞鳴命)の祭は、今からほぼ1000年前、夏に発生しやすい疫病を除けることを祈願して行われた平安京での祇園御霊会に始まり、この行事は神輿の迎え送りの間、歌舞音曲等の神賑いを行う形を発展させてきたものである。

この平安時代に、すでに出ていたとされる矛や山が、今日のような、松等の常緑樹を挿した舁山や屋根の上に真木がそびえる鉾等が出る祭りとしての形を整えたのは、南北朝から室町時代(14-15世紀)にかけてで、安土桃山時代(16世紀末頃)に入って京都の町衆の富と心意気を示すように輸入品の豪華絢爛なゴブラン織等の幕類を懸け、錺金具や彫り物にも贅を尽くすようになった。

行事の次第は、7月1日の吉符入(神事始めの相談)に始まり、2日のくじ取り(山鉾巡行の順番定め)、10日の神輿洗い(神輿を神社から四条大橋までかついで行き神に清水をふくませてそそぐ式。この折、万灯風の提灯をかかげての神輿迎えの練り行列がある)。

10日-15日の鉾建て、山建て、16日の宵山(山鉾に提灯を飾って練りまわり、人形や装飾品を飾って人々の参観に供す)、宵宮祭、17日の山鉾巡行(この夕刻、神輿のお旅所への神幸あり)、24日の花傘巡行、神輿の還幸(昭和41年までは後の祭りの山鉾巡行があったが今は花傘巡行)、28日の神輿洗い、29日の神事済奉告祭などである。

このうち山鉾行事は、くじ取り、山建て、鉾建て、長刀鉾の稚児社参、宵山、山鉾巡行、祇園囃子(各地の祭礼囃子のもととなったもの)など多彩な内容を含んでおり、町中(ちょうじゅう)と呼ばれる組織によって運営されているなどの特色が見られる。

華麗な山鉾巡行の姿は人々の憧れの的となり、競って各地の祭礼行事に模倣された極めて重要なものであり、我が国の夏祭りの発生や変遷を知る上で欠かすことのできない祭礼である。

なお、この山鉾29基は、いずれも神霊を迎えるための要素をよく備えており、重要有形民俗文化財に指定されている。

この行事は、昭和34年(1959年)3月に京都八坂神社の祇園祭として記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財に選択されている。

この行事は、平成21年(2009年)にユネスコ無形文化遺産保護条約 「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に記載されている。

保護団体名:公益財団法人祇園祭山鉾連合会
重要無形民俗文化財「京都祇園祭の山鉾行事」 - 1000年続く、日本を代表する祭り
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