子授かり泣き相撲で有名、マンション開発で磐座撤去の危機に瀕す古社
[住所]兵庫県西宮市甑岩町5-4
[電話]0798-71-8375
越木岩神社(こしきいわじんじゃ)は、兵庫県西宮市にある神社。
毎年、秋季例大祭奉祝行事で9月に開催される、子授かりへの感謝と、健康に育つよう祈願する泣き相撲(「越木岩泣き相撲」)で知られる。
『延喜式』巻9・10神名帳 畿内神 摂津国 莵原郡「大国主西神社/大國主西神社」に比定される式内社(小社)の論社。
御祭神は明暦2年(1656年)、円満寺の僧である教順が西宮神社(西宮市)から勧請した、蛭児大神(ひるこおおかみ、戎神)である。
しかし、元々は当地にある甑岩などの磐座を祀ったもので、その祭祀自体は式内の昔及びそれ以上、極めて古いと考えられる。
なお、式内社「大国主西神社」の論社に、西宮神社の境内社である式内と同名の大国主西神社がある。
当社の磐座は、甑(こしき:セイロ)に似ていることから甑岩と呼ばれる。甑岩は岩社として祀られている。また、厳島神社(広島県・廿日市市)の分霊も、いつの頃からか祀られている。
当地は、積み出し港の名を取った御影石(花崗岩)の産地としても有名で、徳川氏の大阪城修築(1620年-1628年)の際、甑岩を石工が割ろうとしたが、割れ目から鶏鳴が湧き上がり、白煙が立ったため、作業を断念した、との伝承がある。
池田備中守長幸(備中松山城主)の家紋が刻まれた当時の石の破片が付近に残っている。境内は約7700平方メートルあり、その森は、県の天然記念物である「越木岩神社社叢林」として保護されている。
甑岩は高さ約10メートル、周囲約40メートルで、上部が中央から二つに割れて、その頂上から樹木が生えている。
女陰石とされ、厳島神社(宗像三女神)が祀られているという。甑岩から北へ約50メートル登ると、第二の巨石(周囲約80メートル)がある。さらに北へ約30メートル登ると第三の巨石がある。
それぞれ、南座・中座・北座と呼ばれる磐座があり、北座は生田神社(神戸市中央区)と同じ稚日女尊(わかひるめのみこと)の磐座とも呼ばれる。
また、見た目で、南座・中座・北座を、陰石・陰石・陽石とする説もある。さらに北の延長線上に標高約200メートルの北山があり、山中に巨石群がある。
これら磐座を三輪山中(奈良県桜井市の大神神社)の磐座と比較し、似ているとする説もある。
神社の北東側に社叢林があり地域の共同所有であったが、50年程前に夙川学院の要望で、磐座の保存及び遥拝所に配慮すると言うことで売却された。
夙川学院は磐座に配慮し、夙川学院短期大学を建築したが、同大学がポートアイランドに移転するに当たり、夙川学院は磐座のある土地を不動産業者に売却してしまった。
不動産業者は集合住宅(マンション)を建築するに当たり、当初は磐座に配慮するような言動もあったようだが、現在、磐座の破壊撤去に動いており、当社側は磐座の保存を働きかけている。
磐座の破壊撤去とは言語道断だが、日本人は昔から、時として、そうした愚挙に出ようとすることがあることは肝に銘じておかなければならない。
当社においては、江戸の昔、大阪城修築の時はそれでも、当時の人々は賢明にも断念した。今の日本人はどうか。リアルタイムに、歴史の節目にかかっている神社だと言える。
なお、当社ブログでは電子署名サイトchange.orgにおいて署名を開始している。イワクラ学会でも保護を呼び掛けている。
現在、西宮神社・福應神社ととも、福の神として信仰を集め、西宮の三福神と並び称されている。
【ご利益】
子授け、安産(公式HP)
【関連記事】
・西宮の三福神 - 兵庫県西宮市に鎮座する、福の神、開運招福の御神徳のある三つの神社
・「他の宗教を認めない=その宗教施設に何をしてもよい」が、悲しいことに日本でも目立つ件
・ネットメディアで磐座破壊計画進む越木岩神社に関する記事が配信される - 兵庫県西宮市
・越木岩神社の磐座がマンション開発で爆破粉砕、ニュースまとめ、られない - 西宮市
・兵庫県の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、兵庫県に鎮座している神社の一覧
[電話]0798-71-8375
越木岩神社(こしきいわじんじゃ)は、兵庫県西宮市にある神社。
毎年、秋季例大祭奉祝行事で9月に開催される、子授かりへの感謝と、健康に育つよう祈願する泣き相撲(「越木岩泣き相撲」)で知られる。
『延喜式』巻9・10神名帳 畿内神 摂津国 莵原郡「大国主西神社/大國主西神社」に比定される式内社(小社)の論社。
御祭神は明暦2年(1656年)、円満寺の僧である教順が西宮神社(西宮市)から勧請した、蛭児大神(ひるこおおかみ、戎神)である。
しかし、元々は当地にある甑岩などの磐座を祀ったもので、その祭祀自体は式内の昔及びそれ以上、極めて古いと考えられる。
なお、式内社「大国主西神社」の論社に、西宮神社の境内社である式内と同名の大国主西神社がある。
当社の磐座は、甑(こしき:セイロ)に似ていることから甑岩と呼ばれる。甑岩は岩社として祀られている。また、厳島神社(広島県・廿日市市)の分霊も、いつの頃からか祀られている。
当地は、積み出し港の名を取った御影石(花崗岩)の産地としても有名で、徳川氏の大阪城修築(1620年-1628年)の際、甑岩を石工が割ろうとしたが、割れ目から鶏鳴が湧き上がり、白煙が立ったため、作業を断念した、との伝承がある。
池田備中守長幸(備中松山城主)の家紋が刻まれた当時の石の破片が付近に残っている。境内は約7700平方メートルあり、その森は、県の天然記念物である「越木岩神社社叢林」として保護されている。
甑岩は高さ約10メートル、周囲約40メートルで、上部が中央から二つに割れて、その頂上から樹木が生えている。
女陰石とされ、厳島神社(宗像三女神)が祀られているという。甑岩から北へ約50メートル登ると、第二の巨石(周囲約80メートル)がある。さらに北へ約30メートル登ると第三の巨石がある。
それぞれ、南座・中座・北座と呼ばれる磐座があり、北座は生田神社(神戸市中央区)と同じ稚日女尊(わかひるめのみこと)の磐座とも呼ばれる。
また、見た目で、南座・中座・北座を、陰石・陰石・陽石とする説もある。さらに北の延長線上に標高約200メートルの北山があり、山中に巨石群がある。
これら磐座を三輪山中(奈良県桜井市の大神神社)の磐座と比較し、似ているとする説もある。
神社の北東側に社叢林があり地域の共同所有であったが、50年程前に夙川学院の要望で、磐座の保存及び遥拝所に配慮すると言うことで売却された。
夙川学院は磐座に配慮し、夙川学院短期大学を建築したが、同大学がポートアイランドに移転するに当たり、夙川学院は磐座のある土地を不動産業者に売却してしまった。
不動産業者は集合住宅(マンション)を建築するに当たり、当初は磐座に配慮するような言動もあったようだが、現在、磐座の破壊撤去に動いており、当社側は磐座の保存を働きかけている。
磐座の破壊撤去とは言語道断だが、日本人は昔から、時として、そうした愚挙に出ようとすることがあることは肝に銘じておかなければならない。
当社においては、江戸の昔、大阪城修築の時はそれでも、当時の人々は賢明にも断念した。今の日本人はどうか。リアルタイムに、歴史の節目にかかっている神社だと言える。
なお、当社ブログでは電子署名サイトchange.orgにおいて署名を開始している。イワクラ学会でも保護を呼び掛けている。
現在、西宮神社・福應神社ととも、福の神として信仰を集め、西宮の三福神と並び称されている。
【ご利益】
子授け、安産(公式HP)
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