なかしまのみや - 唯一の尾張国、元伊勢の第十五、この後伊勢国へ
元伊勢「中島宮」伝承地の一つである酒見神社(一宮市今伊勢町本神戸字宮山)
元伊勢「中島宮」(なかしまのみや、中嶋宮)は、『倭姫命世記』に記載される元伊勢の第十五である。所在地は尾張国。現在の愛知県一宮市・清須市にあたる。

倭姫命が「伊久良河宮」より遷り、天照大神を奉斎した。天照大神安住の地、現在の伊勢の神宮(伊勢神宮)の皇大神宮(内宮)を求める長い旅の途上。
次に、尾張国中嶋宮に遷座し、倭姫命は国寿きされた。この時、美濃国造等は、舎人 市主、地口・御田を進り、御船一隻を進った。

同じく美濃県主は、角鏑を作り、御船二隻を進るに、「捧ぐ船は天の曾己立、抱く船は、天の御都張」と申上げて進った。また、采女 忍比売(おしひめ)、また地口・御田を進った。

忍比売の子がうけ継いで天の平瓮八十枚を作って進った。(『倭姫命世記』 口語訳
美濃国ただ一つの「伊久良河宮」から、尾張国もこの「中島宮」がただ一つ。この後、とうとう伊勢国に入り、約束の地にどんどん近づいて行くことになる。

尾張国に遷座したのに、美濃国造、美濃県主などがこぞってさまざまなものを献上しており、この遷座に際しては、美濃の人々は名残惜しかったという面があったのかもしれない。

元伊勢「中島宮」の伝承地・候補地は以下の通り。

酒見神社 (一宮市今伊勢町本神戸字宮山)

酒見神社 - 元伊勢「中島宮」伝承地の一つで、当社だけの酒の神 清酒発祥の地?
[所在地]
[社格等]式内社 - 郷社
[ご利益]開運、厄除け、酒造、医薬

浜神明社

浜神明社 - 尾張国一宮・真清田神社の境外摂社、元伊勢「中島宮」の伝承地の一つ
[所在地]一宮市桜一丁目
[社格等]尾張国一宮真清田神社の境外末社
[ご利益]開運、厄除け、海上・交通安全

丸宮神明社

丸宮神明社 - 中嶋宮に合祀された、元伊勢「中島宮」候補地の一つ 改名に尽力
[所在地]一宮市萩原町中島
[社格等]現在中嶋宮に合祀
[ご利益]開運、厄除け

御園神明社

御園神明社 - 信長の居城だった清州城の外堀がある、元伊勢「中島宮」伝承地
[所在地]清須市一場
[社格等]清洲三社
[ご利益]開運、厄除け、家内安全

坂手神社

坂手神社 - 伊勢神宮から毎年幣錦を賜っていた、元伊勢「中島宮」伝承地の式内社
[所在地]一宮市佐千原字宮東
[社格等]式内社 - 県社
[ご利益]開運、厄除け

元伊勢を巡る
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