なばりいちもりのみや - 大和国を離れ伊賀国へ、元伊勢の第九
元伊勢「隠市守宮」伝承地の一つである宇流冨志禰神社(名張市平尾)
元伊勢「隠市守宮」(なばりいちもりのみや)は、『倭姫命世記』に記載される元伊勢の第九である。所在地は伊賀国。現在の三重県名張市にあたる。

倭姫命が「佐佐波多宮」より遷り、天照大神を2年間奉斎した。天照大神安住の地、現在の伊勢の神宮(伊勢神宮)の皇大神宮(内宮)を求める長い旅の途上。
(第十代崇神天皇)六十四年[丁亥]、伊賀国隠市守宮に遷幸した。

二年間奉斎〔伊賀国は、天武天皇の庚辰歳七月に伊勢国の四郡を割いて彼国を立てた〕。(『倭姫命世記』 口語訳
元伊勢「隠市守宮」の伝承地・候補地は以下の通り。

宇流冨志禰神社

宇流冨志禰神社 - 神武建国以来の創祀、春日神ともゆかりの深い式内社で元伊勢
[所在地]名張市平尾
[社格等]式内社 - 県社
[ご利益]厄払い、安産祈願、交通安全など

三輪神社

三輪神社(名張市)跡地 - 瀬古口稲荷神社に合祀された、オオモノヌシ伝承ある元伊勢
[所在地]名張市箕輪中村(旧社地)
[社格等]現在瀬古口稲荷神社に合祀
[ご利益]-

蛭子神社

蛭子神社(名張市) - 元伊勢「隠市守宮」の候補地、親しまれる祭礼「えべっさん」
[所在地]名張市鍛冶町
[社格等]-
[ご利益]商売繁盛、大漁満足、火防

田村大明神

田村大明神 - 美波多神社に合祀された、伴信友お墨付きの元伊勢「隠市守宮」候補地
[所在地]名張市東田原(旧社地)
[社格等]現在美波多神社に合祀
[ご利益]-

名居神社

名居神社 - 地震除けの神、伊賀国式内社で、元伊勢「隠市守宮」の候補地の一つ
[所在地]名張市下比奈知
[社格等]式内社 - 村社
[ご利益]地震除け、厄災除け、医薬・病気平癒

元伊勢を巡る
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