よさのみや - 丹波国、元伊勢の第二で伊勢神宮の内宮と外宮がリンク
元伊勢「吉佐宮」伝承地の一つである真名井神社(宮津市江尻)
元伊勢「吉佐宮」(よさのみや)は、『倭姫命世記』に記載される元伊勢の第二である。所在地は丹波国。現在の京都府宮津市、京丹後市、福知山市にあたる。

豊鍬入姫命が「笠縫邑」より遷り、天照大神を4年間奉斎した。天照大神安住の地、現在の伊勢の神宮(伊勢神宮)の皇大神宮(内宮)を求める長い旅の途上。
(第十代崇神天皇)三十九年[壬戌]、但波の吉佐宮(余社宮)に遷幸し、四年間奉斎。ここから更に倭国へ求める。この年に 豊宇介神が天降って(大神に)御饗を奉る。(『倭姫命世記』 口語訳
再び倭(大和国)に戻ることが示唆され、次の「伊豆加志本宮(いつかしのもとのみや)」につながっていく。

さらに、豊宇介神が登場し、ここで、内宮と、伊勢神宮の豊受大神宮(外宮)がリンクする。

この記述を見る限り、内宮と外宮の元宮(「吉佐宮」と「与佐之小見比治之魚井原」)は同一(真名井神社)との考えは説得力があるが、両者が別の場所でも、丹波地方であれば話の辻褄が合わないわけではない。

元伊勢「吉佐宮」の伝承地・候補地は以下の通り。

真名井神社

真名井神社 - 丹後国一宮・籠神社の奥宮、伊勢の神宮の内宮・外宮の発祥の地の一つ
[所在地]宮津市江尻
[社格等]丹後国一宮籠神社奥宮
[ご利益]食全般、五穀豊穣、国家繁栄

皇大神社


皇大神社(福知山市) - 大江町の元伊勢三社の一社の内宮元宮、宮津藩主から崇敬
[所在地]福知山市大江町
[社格等]府社 - 福知山市大江町の元伊勢三社
[ご利益]開運、家内安全、国家繁栄

笶原神社

笶原神社(舞鶴市) - 由緒正しい式内社も凋落、元伊勢「吉佐宮」伝承地の一つ
[所在地]舞鶴市紺屋
[社格等]式内社 - 無格社
[ご利益]開運、五穀豊穣

竹野神社

竹野神社 - 開化天皇妃タカノヒメがアマテラスを奉斎した、元伊勢「吉佐宮」候補
[所在地]京丹後市丹後町宮
[社格等]式内社 - 府社
[ご利益]開運、当地開拓の祖神、安産、家内安全

元伊勢を巡る
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