三重県伊勢市に鎮座する伊勢の神宮(伊勢神宮)の皇大神宮(内宮)と豊受大神宮(外宮)が、現在地へ遷る以前に一時的にせよ祀られたという伝承を持つ神社・場所。
『倭姫命世記』に詳しく、『皇太神宮儀式帳』でやや詳しく、『日本書紀』に簡略に、『古事記』に断片的に記されている。
元伊勢は、その性質上、内宮の元宮としての元伊勢、外宮の元宮としての元伊勢と分けることができる。
また、内宮の元宮としての元伊勢は、最初、豊鍬入姫命が巡歴したものと、それを引き継いで倭姫命が巡歴したものに分けられる。
『倭姫命世記』によれば、内宮の元宮としての元伊勢で、豊鍬入姫命が巡歴したものとして、有名な「笠縫邑」も含め、六宮がある。
また、倭姫命が巡歴したものとして、21の宮がある。引き継ぎ地点の「弥和乃御室嶺上宮」は重複なので、全部で26の宮。それに対して伝承地、候補地が多数にのぼる。
外宮の元宮としての元伊勢は『倭姫命世記』に一つの宮の記載があり、それに対して、やはり複数の伝承地、候補地がある。
特に内宮の元宮としての元伊勢は各所に散らばり、豊鍬入姫命と倭姫命という二人の皇女が、なぜこのような巡歴を重ね、最終的に伊勢神宮の内宮に天照大神を、外宮には豊受大神を祀らなければならなかったのか、は謎(参考:“神宮”怨霊説を検証する)。
ここでは、『倭姫命世記』の記載にしたがって、一覧表示した。
読み:かさぬいのむら
滞在:33年
『日本書紀』笠縫邑
『皇太神宮儀式帳』-
『倭姫命世記』-
所在地:奈良県桜井市近辺
読み:よさのみや
滞在:4年
『日本書紀』-
『皇太神宮儀式帳』-
『倭姫命世記』-
所在地:京都府宮津市、京丹後市、福知山市
読み:いつかしのもとのみや
滞在:8年
『日本書紀』-
『皇太神宮儀式帳』-
『倭姫命世記』-
所在地:奈良県桜井市
読み:なぐさのはまのみや
滞在:3年
『日本書紀』-
『皇太神宮儀式帳』-
『倭姫命世記』-
所在地:和歌山県和歌山市毛見
読み:なかたのはまみや
滞在:4年
『日本書紀』-
『皇太神宮儀式帳』-
他の表記:名方濱宮
所在地:岡山県岡山市や広島県、和歌山県
読み:みわのみむろのみねのうえのみや
滞在:2年
『日本書紀』-
『皇太神宮儀式帳』-
『倭姫命世記』-
所在地:奈良県桜井市三輪
読み:みわのみむろのみねのうえのみや
滞在:2年
『日本書紀』-
『皇太神宮儀式帳』-
『倭姫命世記』-
所在地:奈良県桜井市三輪
読み:うだあきのみや
滞在:4年
『日本書紀』-
『皇太神宮儀式帳』宇太乃阿貴宮
『倭姫命世記』-
所在地:奈良県宇陀市周辺
読み:ささはたのみや
滞在:-
『日本書紀』菟田筱幡
『皇太神宮儀式帳』佐々波多宮
『倭姫命世記』-
所在地:奈良県宇陀市周辺
読み:なばりいちもりのみや
滞在:2年
『日本書紀』-
『皇太神宮儀式帳』-
『倭姫命世記』-
所在地:三重県名張市
読み:あなほのみや
滞在:4年
『日本書紀』-
『皇太神宮儀式帳』伊賀穴穂宮
『倭姫命世記』-
所在地:三重県伊賀市
読み:あえとみえのみや
滞在:2年
『日本書紀』-
『皇太神宮儀式帳』阿閇柘殖宮
『倭姫命世記』-
所在地:三重県伊賀市
読み:こうかひくものみや
滞在:4年
『日本書紀』近江国
『皇太神宮儀式帳』近江国
『倭姫命世記』-
所在地:滋賀県甲賀市・湖南市
読み:さかたのみや
滞在:2年
『日本書紀』近江国
『皇太神宮儀式帳』坂田宮
『倭姫命世記』-
所在地:滋賀県米原市宇賀野
読み:いくらがわのみや
滞在:4年
『日本書紀』美濃
『皇太神宮儀式帳』伊久良賀宮
『倭姫命世記』-
所在地:岐阜県瑞穂市・安八町
読み:なかしまのみや
滞在:-
『日本書紀』-
『皇太神宮儀式帳』-
他の表記:中嶋宮
所在地:愛知県一宮市・清須市
読み:くわなののしろのみや
滞在:4年
『日本書紀』伊勢国
『皇太神宮儀式帳』桑名野代宮
『倭姫命世記』-
所在地:三重県桑名市
読み:なごわしのあしのやまのみや
滞在:-
『日本書紀』伊勢国
『皇太神宮儀式帳』河曲鈴鹿[a 3]小山宮
『倭姫命世記』-
所在地:三重県亀山市
読み:くさふかあのこく
滞在:-
『日本書紀』-
『皇太神宮儀式帳』安濃国
『倭姫命世記』-
所在地:不明
読み:あさかのふじかたのかたひのみや
滞在:4年
『日本書紀』伊勢国
『皇太神宮儀式帳』壱志藤方片樋宮
『倭姫命世記』-
所在地:三重県津市・松坂市
読み:いいのたかみや
滞在:4年
『日本書紀』伊勢国
『皇太神宮儀式帳』飯野高宮
『倭姫命世記』高丘宮
所在地:三重県松坂市
読み:ささむえのみや
滞在:-
『日本書紀』伊勢国
『皇太神宮儀式帳』多気佐々牟迤宮
『倭姫命世記』佐佐牟江社
所在地:三重県多気郡明和町
読み:いそのみや
滞在:-
『日本書紀』磯宮
『皇太神宮儀式帳』玉岐波流礒宮
他の表記:伊蘇宮
所在地:三重県伊勢市・多気町
読み:おおかわのたきはらのくに
滞在:-
『日本書紀』伊勢国
『皇太神宮儀式帳』-
『倭姫命世記』-
所在地:三重県度会郡大紀町滝原
読み:やだのみや
滞在:-
『日本書紀』伊勢国
『皇太神宮儀式帳』-
『倭姫命世記』-
所在地:三重県伊勢市楠部町字口矢田
読み:やたのたのうえのみや
滞在:-
『日本書紀』伊勢国
『皇太神宮儀式帳』宇治家田田上宮
『倭姫命世記』-
所在地:三重県伊勢市楠部町字尾崎
読み:なおしねのみや
滞在:-
『日本書紀』伊勢国
『皇太神宮儀式帳』-
『倭姫命世記』-
所在地:三重県伊勢市宇治中之切町
読み:いすずのみや
終着:皇大神宮
『日本書紀』渡遇宮
『皇太神宮儀式帳』大宮
『倭姫命世記』五十鈴川上宮
所在地:三重県伊勢市宇治館町
読み:よさのこみひじのうないはら
滞在:-
『日本書紀』-
『皇太神宮儀式帳』比治真奈井
『倭姫命世記』与謝郡比冶山頂麻奈井原
所在地:京都府宮津市、京丹後市、福知山市
読み:やまだはらのみや
終着:豊受大神宮
『日本書紀』-
『皇太神宮儀式帳』度会宮
『倭姫命世記』-
所在地:三重県伊勢市豊川町
【関連記事】
・『倭姫命世記』 - “ただ”の伝説? ある皇女の数奇な一生、伊勢神宮の謎【目次】
・伊勢参宮 - 二見興玉神社→外宮→内宮と猿田彦神社の御朱印、参拝順路、アクセス、所要時間
・日本三大伊勢とは? - 表・裏・元という三つの伊勢、裏伊勢は宗像三女神の宗像大社
・太陽の道とは? - 北緯34度32分のラインに連なる聖地、元伊勢・太陽信仰
・神社いろいろ - これで神社のおよそが分かる! 社格や形式などで神社を分類したまとめ
『倭姫命世記』に詳しく、『皇太神宮儀式帳』でやや詳しく、『日本書紀』に簡略に、『古事記』に断片的に記されている。
元伊勢は、その性質上、内宮の元宮としての元伊勢、外宮の元宮としての元伊勢と分けることができる。
また、内宮の元宮としての元伊勢は、最初、豊鍬入姫命が巡歴したものと、それを引き継いで倭姫命が巡歴したものに分けられる。
『倭姫命世記』によれば、内宮の元宮としての元伊勢で、豊鍬入姫命が巡歴したものとして、有名な「笠縫邑」も含め、六宮がある。
また、倭姫命が巡歴したものとして、21の宮がある。引き継ぎ地点の「弥和乃御室嶺上宮」は重複なので、全部で26の宮。それに対して伝承地、候補地が多数にのぼる。
外宮の元宮としての元伊勢は『倭姫命世記』に一つの宮の記載があり、それに対して、やはり複数の伝承地、候補地がある。
特に内宮の元宮としての元伊勢は各所に散らばり、豊鍬入姫命と倭姫命という二人の皇女が、なぜこのような巡歴を重ね、最終的に伊勢神宮の内宮に天照大神を、外宮には豊受大神を祀らなければならなかったのか、は謎(参考:“神宮”怨霊説を検証する)。
ここでは、『倭姫命世記』の記載にしたがって、一覧表示した。
皇大神宮(内宮)・トヨスキイリビメ巡歴
大和国 笠縫邑
読み:かさぬいのむら
滞在:33年
『日本書紀』笠縫邑
『皇太神宮儀式帳』-
『倭姫命世記』-
所在地:奈良県桜井市近辺
丹波国 吉佐宮
読み:よさのみや
滞在:4年
『日本書紀』-
『皇太神宮儀式帳』-
『倭姫命世記』-
所在地:京都府宮津市、京丹後市、福知山市
大和国 伊豆加志本宮
読み:いつかしのもとのみや
滞在:8年
『日本書紀』-
『皇太神宮儀式帳』-
『倭姫命世記』-
所在地:奈良県桜井市
紀伊国 奈久佐浜宮
読み:なぐさのはまのみや
滞在:3年
『日本書紀』-
『皇太神宮儀式帳』-
『倭姫命世記』-
所在地:和歌山県和歌山市毛見
吉備国 名方浜宮
読み:なかたのはまみや
滞在:4年
『日本書紀』-
『皇太神宮儀式帳』-
他の表記:名方濱宮
所在地:岡山県岡山市や広島県、和歌山県
大和国 弥和乃御室嶺上宮
読み:みわのみむろのみねのうえのみや
滞在:2年
『日本書紀』-
『皇太神宮儀式帳』-
『倭姫命世記』-
所在地:奈良県桜井市三輪
皇大神宮(内宮)・ヤマトヒメ巡歴
大和国 弥和乃御室嶺上宮
読み:みわのみむろのみねのうえのみや
滞在:2年
『日本書紀』-
『皇太神宮儀式帳』-
『倭姫命世記』-
所在地:奈良県桜井市三輪
大和国 宇多秋宮
読み:うだあきのみや
滞在:4年
『日本書紀』-
『皇太神宮儀式帳』宇太乃阿貴宮
『倭姫命世記』-
所在地:奈良県宇陀市周辺
大和国 佐佐波多宮
読み:ささはたのみや
滞在:-
『日本書紀』菟田筱幡
『皇太神宮儀式帳』佐々波多宮
『倭姫命世記』-
所在地:奈良県宇陀市周辺
伊賀国 隠市守宮
読み:なばりいちもりのみや
滞在:2年
『日本書紀』-
『皇太神宮儀式帳』-
『倭姫命世記』-
所在地:三重県名張市
伊賀国 穴穂宮
読み:あなほのみや
滞在:4年
『日本書紀』-
『皇太神宮儀式帳』伊賀穴穂宮
『倭姫命世記』-
所在地:三重県伊賀市
伊賀国 敢都美恵宮
読み:あえとみえのみや
滞在:2年
『日本書紀』-
『皇太神宮儀式帳』阿閇柘殖宮
『倭姫命世記』-
所在地:三重県伊賀市
近江国 甲可日雲宮
読み:こうかひくものみや
滞在:4年
『日本書紀』近江国
『皇太神宮儀式帳』近江国
『倭姫命世記』-
所在地:滋賀県甲賀市・湖南市
近江国 坂田宮
読み:さかたのみや
滞在:2年
『日本書紀』近江国
『皇太神宮儀式帳』坂田宮
『倭姫命世記』-
所在地:滋賀県米原市宇賀野
美濃国 伊久良河宮
読み:いくらがわのみや
滞在:4年
『日本書紀』美濃
『皇太神宮儀式帳』伊久良賀宮
『倭姫命世記』-
所在地:岐阜県瑞穂市・安八町
尾張国 中島宮
読み:なかしまのみや
滞在:-
『日本書紀』-
『皇太神宮儀式帳』-
他の表記:中嶋宮
所在地:愛知県一宮市・清須市
伊勢国 桑名野代宮
読み:くわなののしろのみや
滞在:4年
『日本書紀』伊勢国
『皇太神宮儀式帳』桑名野代宮
『倭姫命世記』-
所在地:三重県桑名市
伊勢国 奈其波志忍山宮
読み:なごわしのあしのやまのみや
滞在:-
『日本書紀』伊勢国
『皇太神宮儀式帳』河曲鈴鹿[a 3]小山宮
『倭姫命世記』-
所在地:三重県亀山市
不詳 草蔭阿野国
読み:くさふかあのこく
滞在:-
『日本書紀』-
『皇太神宮儀式帳』安濃国
『倭姫命世記』-
所在地:不明
伊勢国 阿佐加藤方片樋宮
読み:あさかのふじかたのかたひのみや
滞在:4年
『日本書紀』伊勢国
『皇太神宮儀式帳』壱志藤方片樋宮
『倭姫命世記』-
所在地:三重県津市・松坂市
伊勢国 飯野高宮
読み:いいのたかみや
滞在:4年
『日本書紀』伊勢国
『皇太神宮儀式帳』飯野高宮
『倭姫命世記』高丘宮
所在地:三重県松坂市
伊勢国 佐佐牟江宮
読み:ささむえのみや
滞在:-
『日本書紀』伊勢国
『皇太神宮儀式帳』多気佐々牟迤宮
『倭姫命世記』佐佐牟江社
所在地:三重県多気郡明和町
伊勢国 伊蘓宮
読み:いそのみや
滞在:-
『日本書紀』磯宮
『皇太神宮儀式帳』玉岐波流礒宮
他の表記:伊蘇宮
所在地:三重県伊勢市・多気町
伊勢国 大河之滝原之国
読み:おおかわのたきはらのくに
滞在:-
『日本書紀』伊勢国
『皇太神宮儀式帳』-
『倭姫命世記』-
所在地:三重県度会郡大紀町滝原
伊勢国 矢田宮
読み:やだのみや
滞在:-
『日本書紀』伊勢国
『皇太神宮儀式帳』-
『倭姫命世記』-
所在地:三重県伊勢市楠部町字口矢田
伊勢国 家田々上宮
読み:やたのたのうえのみや
滞在:-
『日本書紀』伊勢国
『皇太神宮儀式帳』宇治家田田上宮
『倭姫命世記』-
所在地:三重県伊勢市楠部町字尾崎
伊勢国 奈尾之根宮
読み:なおしねのみや
滞在:-
『日本書紀』伊勢国
『皇太神宮儀式帳』-
『倭姫命世記』-
所在地:三重県伊勢市宇治中之切町
伊勢国 五十鈴宮
読み:いすずのみや
終着:皇大神宮
『日本書紀』渡遇宮
『皇太神宮儀式帳』大宮
『倭姫命世記』五十鈴川上宮
所在地:三重県伊勢市宇治館町
豊受大神宮(外宮)
丹波国 与佐之小見比治之魚井原
読み:よさのこみひじのうないはら
滞在:-
『日本書紀』-
『皇太神宮儀式帳』比治真奈井
『倭姫命世記』与謝郡比冶山頂麻奈井原
所在地:京都府宮津市、京丹後市、福知山市
伊勢国 山田原宮
読み:やまだはらのみや
終着:豊受大神宮
『日本書紀』-
『皇太神宮儀式帳』度会宮
『倭姫命世記』-
所在地:三重県伊勢市豊川町
【関連記事】
・『倭姫命世記』 - “ただ”の伝説? ある皇女の数奇な一生、伊勢神宮の謎【目次】
・伊勢参宮 - 二見興玉神社→外宮→内宮と猿田彦神社の御朱印、参拝順路、アクセス、所要時間
・日本三大伊勢とは? - 表・裏・元という三つの伊勢、裏伊勢は宗像三女神の宗像大社
・太陽の道とは? - 北緯34度32分のラインに連なる聖地、元伊勢・太陽信仰
・神社いろいろ - これで神社のおよそが分かる! 社格や形式などで神社を分類したまとめ
コメント