三重県松阪市にあった式内社も、同市内の加世智神社に合祀された元伊勢
久尓都神社
[住所]三重県松阪市郷津町字里中周辺
[電話]0598-51-2133 - 加世智神社

久尓都神社(くにつじんじゃ)は、三重県松阪市にあった神社。現在は同市内大平尾町にある加世智神社に合祀されている。

『延喜式神名帳』にある「久尓都神社(伊勢国・飯高郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では村社。

上記住所表記は旧所在地(飯南郡駅家郷港村大字郷津小字里中)、地図と写真は加世智神社。

御祭神は諸説あるが、乙加豆知命(おとかづちのみこと、飯高の県造の祖)が有力。創祀年代は不詳。社名は「国津」の意と思われ、飯高の土着豪族が祀られたのが創祀か。

郡一帯を鎮撫した飯高君の祖先である天押帯彦命及びこの辺一帯を開拓した飯高の国造の一族の祖先神たる乙加豆命が奉斎され、飯高君や飯高県造の子孫が代々奉斎した可能性がある。

明治に入って村社に列格し、明治41年(1908年)4月、境内社の秋葉神社、八雲神社とともに加世智神社に合祀された。

『皇太神宮儀式帳』『倭姫命世記』にある、天照大神を奉斎した倭姫命が4年間滞在した「飯野高宮(高丘宮、飯野ノ高宮などとも)」の伝承地の一つ。

乙加豆知命が倭姫命に神戸を進呈したと伝わる。伊勢の神宮(伊勢神宮)の皇大神宮(内宮)の元宮の可能性がある。

元伊勢「飯野高宮」の候補地は他に、すべて市内で、飯野高宮神山神社神戸神館神明社牛庭神社滝野神明社(現在、水屋神社に合祀されている)、花岡神社(飯高町宮前)がある。

【ご利益】
当地開拓の神、開運、厄除け
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