伊勢神宮から毎年幣錦を賜っていた、元伊勢「中島宮」伝承地の式内社
[住所]愛知県一宮市佐千原宮東91
[電話]-

坂手神社(さかてじんじゃ)は、愛知県一宮市にある神社。『延喜式神名帳』にある「坂手神社(尾張国・中島郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格は県社元伊勢の一つ。

当社は尾張国葉栗郡であるが、中世以前は中島郡と推測されている。地名の佐千原(さちはら)は、坂手から佐手原、佐千原と変化した地名だという。

明治時代までは、毎年伊勢の神宮(伊勢神宮)より幣錦を賜っていた。一説には伊勢神宮の御厨であったという。

御祭神は高水上神。オオヤマツミの子神とされる。高水上命(たかみなかみのみこと)であれば、伊勢神宮の皇大神宮(内宮)の摂社である坂手国生神社、末社である小社神社宇治乃奴鬼神社石井神社でも祀られている。

『日本書紀』に「美濃」、『倭姫命世記』に「中島宮」とある、アマテラスを奉斎したヤマトヒメが滞在した元伊勢の伝承地の一つ。

創建時期は不明。第十一代垂仁天皇14年、天照大神(アマテラス)の御霊代を祀る地を探していた倭姫命(ヤマトヒメ)は、美濃国伊久良河宮から尾張国中島宮にたどりつく。

この地に坂手大神を祀ったのが最初という。天照大神の御霊代は現在の坂手神社のやや北に仮宮を築き祀ったという。

江戸時代は八剣社と称されていた。明治5年(1872年)に郷社、昭和16年(1941年)に県社となる。

なお、元伊勢「中島宮」は他に、愛知県一宮市に酒見神社(今伊勢町)、浜神明社(尾張国一宮真清田神社の境外末社、桜)、丸宮神明社(現在中嶋宮に合祀、萩原町)、清須市一場に御園神明社がある。

また、式内社「坂手神社」の論社は他に、稲沢市坂田町中畦の貴船社・日吉社がある。

当社は式内社「千野神社」の論社とされる場合がある。他の論社に、市内奥町貴船の貴船神明社、稲沢市牛踏町芳野の神明社がある。

【ご利益】
開運、厄除け
坂手神社 - 伊勢神宮から毎年幣錦を賜っていた、元伊勢「中島宮」伝承地の式内社
【関連記事】
元伊勢「中島宮」(なかしまのみや) - 唯一の尾張国、元伊勢の第十五 - 元伊勢
『倭姫命世記』(7) - ヤマトヒメ、伊賀国から近江国、美濃国を経て、尾張国へ
愛知県の旧県社 | 府県社とは? - 旧県社(縣社)・旧府社、その都道府県の中で有力な神社
愛知県の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、愛知県に鎮座している神社の一覧