病苦平癒、交通安全の、ヤマトヒメゆかりの笠杉のある元伊勢
[住所]滋賀県甲賀市水口町高山364
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笠山神社(かさやまじんじゃ、瘡山神社)は、滋賀県甲賀市にある神社。御祭神は大己貴命

天照大神を奉斎した倭姫命が4年間滞在した、『日本書紀』に「近江国」、『倭姫命世記』に「甲可日雲宮」とある元伊勢の伝承地の一つ。

伊勢の神宮(伊勢神宮)の皇大神宮(内宮)の元宮の可能性がある。

社伝では、第11代垂仁天皇の時、皇女倭姫命が巡幸の途中、ここに憩われて、白菅の御笠を当社の杉樹にお懸けになった。

これにより笠山神と言い、病苦平癒の霊験があらたかとされ、以来、参拝する者が後を絶たなくなったという。現在では、交通安全にもご利益があると言われる。

当社の御神木である笠杉は、由緒をもつのみでなく、一株が三幹に分かれ、水口八景の一つとして、また旧水口町の天然記念物に指定されるなど、名実ともに偉容を誇った。

しかし、昭和37年(1962年)の伊勢湾台風で被害を受けて以来、とみに樹勢に衰えが見えはじめ、里人の願いと努力にかかわらず、昭和55年(1980年)、ついに600年の木寿を終えた。

現在ある笠杉は、二代目として初代の地に、その由緒を引き継ぎながら、改めて里人の信仰を集めて成長し続けるもの。

倭姫命にちなむものであれば、ざっと2000年前のこと。木寿600年ということは、由緒にある初代は、実はすでに数世代経たものだったとも考えられる。

往古は疫病「天然痘・疱瘡」を最も恐れ、信仰心でこれを避けようとした。

後世、「笠」を「瘡」と訛って、当社を瘡神と称するようになったともいい、そのため「瘡山神社」の名称が残った。昭和19年(1944年)、現社名に改称した。

なお、元伊勢「甲可日雲宮」の候補地は多く、その他に、甲賀市に土山町頓宮の甲可日雲、土山町鮎河の三上六所神社に合祀された大神宮社、土山町大河原の若宮神社境内社である皇大神宮、信楽町多羅尾の高宮神社、甲南町池田の桧尾神社、信楽町牧の日雲神社、水口町神明の日雲宮、水口町東林口の五十鈴神社、水口町北内貴の川田神社、土山町頓宮の川田神社、土山町北土山の田村神社と、湖南市に三雲の上乗寺境内社である神明宮、夏見の神明神社がある。

【ご利益】
病苦平癒、交通安全
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