元伊勢「甲可日雲宮」伝承地、狼が神使で各種伝説も残る
[住所]滋賀県甲賀市信楽町多羅尾646
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高宮神社(たかみやじんじゃ)は、滋賀県甲賀市にある神社。

天照大神を奉斎した倭姫命が4年間滞在した、『日本書紀』に「近江国」、『倭姫命世記』に「甲可日雲宮」とある元伊勢の伝承地の一つ。

伊勢の神宮(伊勢神宮)の皇大神宮(内宮)の元宮の可能性がある。

古伝では、第11代垂仁天皇4年6月晦日から4年間、倭姫命が皇大神宮(つまり天照大神)を、「信楽日雲里 多羅尾村高宮に奉斎する」とあるという。

その後、鎌倉時代の正安元年(1299年)、近衛基平の一子、高山太郎師俊がこの地を領有し、日雲の宮跡に火産神と近衛家の祖を合祀し、現在に至る。

主祭神は火産霊神。境内には睦備神社がある。10月9日が堂祭。

境内には狼の像があり、当社の神使とされ、いくつかの狼伝説が伝わっている。

ある日、村の猟師が当社で、狼が礼拝所の入り口でお供え物を食べようとしているのを見つける。

猟師は、神楽堂の上から狼を鉄砲で狙ったが、鉄砲を向けると神楽堂の下から狼の泣き声がし、鉄砲を下げると泣き声が止んだ。

また、当社の狼は、善人と悪人をよく見分けるとされた。

信心深い心の美しい人が夜遅く峠道を通ると、安全なところまでついてきてくれ、心の汚れた悪人が通ると、どこまでも追いかけてきてかみついた。

また、当社の狼は、使いをして、夜半に村中を見回って警戒してくれる存在であり、古老はこれをありがたがって手を合わせたという。

なお、元伊勢「甲可日雲宮」の候補地は多く、その他に、甲賀市に土山町頓宮の甲可日雲、土山町鮎河の三上六所神社に合祀された大神宮社、土山町大河原の若宮神社境内社である皇大神宮、甲南町池田の桧尾神社、信楽町牧の日雲神社、水口町神明の日雲宮、水口町東林口の五十鈴神社、水口町高山の笠山神社、水口町北内貴の川田神社、土山町頓宮の川田神社、土山町北土山の田村神社と、湖南市に三雲の上乗寺境内社である神明宮、夏見の神明神社がある。

【ご利益】
火防、家内安全、交通安全
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