開化天皇妃タカノヒメがアマテラスを奉斎した、元伊勢「吉佐宮」候補
[住所]京都府京丹後市丹後町宮249
[電話]0772-75-0600

竹野神社(たけのじんじゃ)は、京都府京丹後市にある神社。斎宮竹野神社などとも。本殿に並んで、摂社である斎宮神社がある。

『延喜式神名帳』にある「竹野神社(丹後国・竹野郡)」に比定される式内社(大社)。近代社格は府社

御祭神は天照大神。斎宮神社の御祭神は、日子坐王命建豊波豆羅和氣命(たけとよほずらわけのみこと)、竹野媛命(たえのひめのみこと)。

当社は、丹波大県主である由碁理の娘で、第9代開化天皇の妃の一人タカノヒメが、アマテラスを祀ったことに始まる。そのためか、後世に斎宮・斎女などの風習が残ったとされる。

斎宮神社には、第31代用明天皇の皇子である、麻呂子親王も祀られ、立岩、間人など鬼賊退治と丹後七仏薬師の伝承がある。

この伝承は「等楽寺縁起」「斎明神縁起」として絵巻に描かれ、府登録文化財となっている。

当社近くに、丹後地方最大の古墳である神明山古墳があり、その近隣の牧の谷に、鬼神塚と呼ばれる塚がある。

当社にはかつて「鬼まつり」と呼ばれる風習があり、祝部である櫻井氏と宮衆徒33人が鬼役となって牧の谷の鬼神塚に呪文を唱えにいく行事。

現在の社殿は文政13年(1830年)に再建されたもの。本殿は規模の大きな一間社流造で、装飾が抑えられた荘厳な建物。

斎宮神社本殿は対照的に小振りな一間社流造で賑やかな装飾を有している。

中門は神社の門としては 珍しい向唐門の派手な印象を与える建物でいずれも府登録文化財として指定されている。

この地に伝えられ、当社の祭礼に演じられる郷土芸能「竹野テンキテンキ」は、子供六人からなる素朴なものであるが、風流囃子物の古い形を残す芸能で、府登録文化財に指定されている。

当社では表立っては主張しないものの、『倭姫命世記』にある豊鉏入日売命が巡歴した「吉佐宮」の伝承地の一つで、伊勢の神宮(伊勢神宮)の前身とも言うべき、元伊勢の一つとされる。

その他に、「吉佐宮」の候補としては、いずれも京都府内に皇大神社(福知山市)、真名井神社(丹後国一宮籠神社の奥宮。宮津市)、笶原神社(舞鶴市)がある。

【ご利益】
開運、当地開拓の祖神、安産、家内安全
竹野神社 - 開化天皇妃タカノヒメがアマテラスを奉斎した、元伊勢「吉佐宮」候補
【関連記事】
元伊勢「吉佐宮」(よさのみや) - 丹波国、伊勢神宮の内宮と外宮がリンク - 元伊勢
『倭姫命世記』(4) - トヨスキイリビメ「笠縫邑」から丹後へ 大和に戻り引退へ
京都府の旧府社 | 府県社とは? - 旧県社(縣社)・旧府社、その都道府県の中で有力な神社
京都府の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、京都府に鎮座している神社の一覧