亀崎潮干祭の山車行事(かめざきしおひまつりのだしぎょうじ)
種別1:風俗慣習
種別2:祭礼(信仰)
公開日:毎年5月3日、4日
指定日:2006.03.15(平成18.03.15)
都道府県:愛知県
所在地:神前神社(半田市亀崎)

亀崎潮干祭の山車行事は、知多半島の北東側にある愛知県半田市の北部亀崎地区の鎮守神前神社の祭礼潮干祭に行われる行事で、氏子で組織される東組、石橋組、中切組、田中組、西組の五つの組から、からくり人形をのせた山車が出されて曳き回される行事。

この行事は毎年5月3日、4日に行われる。行事前の3月下旬から4月上旬には道検分が行われる。これは神前神社に5つの組の若者頭等が集合して山車巡行経路の道路状況の点検を行う行事である。

続いて祭りのほぼ1ヶ月ほど前になると浜に埋めてある山車の車輪を掘り出すゴマ掘りといわれる作業が行われる。各組の山車の車輪は行事が終了すると乾燥しないように海岸の砂の中に埋められるのである。

ゴマ掘りが済むころには囃子の稽古等が始まり、山車の組み上げなども行われる。各組ともサヤと呼ばれる山車を納めた蔵から部材を取り出して山車の組み上げ作業を行い、組み上げが終わると町内を試し曳きして山車に異常がないか確認する。

行事当日の3日には、朝早く山車をサヤから曳き出して飾り付けを行う。この後、東組から順に各サヤの前で神前神社宮司の山車祈祷を受け山車の安全を祈願する。

これが済むと山車を曳き初めて曳き下ろし坂に整列する。この後、浜に向けて海浜曳き下ろしを始め、5台の山車は海浜に横一列に密着した状態で整列する。整列が済むとすぐそばにある広場にあがり、東組、石橋組、中切組、田中組、西組の順に山車の上でからくり人形の技芸を披露する。

その後、神前神社から神輿が出社してくると、神輿の綱と山車の先頭に立つ西組の山車の綱が結びつけられ、神輿に供奉する形で西組を先頭に順次続き、秋葉社を経て亀崎の西側にある尾張三社まで巡行する。

途中の秋葉社でも5台の山車がそれぞれ人形の芸を奉納し、尾張三社でも人形の芸を披露する。尾張三社での人形の芸の披露が終わると山車はそれぞれの組に帰りサヤに納められこの日の行事が終了する。

翌4日は、神輿が神前神社に還幸する。朝早くに各組の山車が尾張三社に集合し飾り付けを済ませる。各組の人形の芸が奉納されると、神輿の綱とこの日山車の先頭に立つ東組の山車の綱が結びつけられ、神輿に続いて順次曳き出され神前神社に向かう。

途中で神輿の綱と東組の山車の綱が切り離され、神輿だけがそのまま神前神社に還幸する。

この行事の山車は、二層造りで唐破風の屋根を四本柱が支え、正面にも同様な唐破風を拵え前壇と呼ばれる棚があり、車輪は一木造りの四輪で台輪の内側に入る内輪形式のもので知多型と呼ばれる。

山車を出す五つの組が東組、石橋組、中切組、田中組、西組の順に年番として1年任期で務める代参元が全体の執行・統括を行っている。各組に任期1年で務める車元と呼ばれる役がおかれ、組における1年間の経費を提供するともいわれる名誉ある役で、山車の管理に責任を負う役割を果たしている。

保護団体名:亀崎潮干祭保存会
重要無形民俗文化財「亀崎潮干祭の山車行事」 - 知多半島に伝わる豪華な山車
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