唯一現存する京都三名水の一つ「染井の水」がある明治元勲を祀る神社
[住所]京都府京都市上京区寺町通広小路上ル染殿町680番地
[電話]075-211-0885

梨木神社(なしのきじんじゃ)は、京都府京都市上京区にある神社。明治維新に大きく貢献した三條実万、三條実美父子を祭神とする。明治18年(1885年)創建。近代社格は別格官幣社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

境内の井戸の水は「染井の水」と呼ばれ、京都三名水の一つ。京都三名水(醒ヶ井・県井・染井)のうち、現存するのはここだけ。美容・長寿に霊験があるとされる霊水で、京都のパワースポットの一つ。

三条実万(さんじょう さねつむ、三條實萬)は幕末の公卿。明治時代の元勲・三条実美の父として知られるが、自身も1848年(嘉永元年)に武家伝奏となり、たびたび江戸に下って対米政策について江戸幕府と交渉。孝明天皇の厚い信任を得た。贈右大臣正一位。

三条実美(さんじょう さねとみ、三條實美)は日本の公卿、政治家。右大臣、太政大臣、内大臣、内閣総理大臣兼任、貴族院議員などを歴任した明治政府の最高首脳人物の一人。幕末、七卿落ちの一人で、太宰府に幽閉されたが、そこで薩摩藩の西郷隆盛や長州藩の高杉晋作、坂本龍馬らと接触。内大臣正一位大勲位公爵。

当社は、久邇宮朝彦親王の令旨により、三条家の邸宅跡に三條実万を祀るための社殿を造営し、明治18年(1885年)、地名からとった現社号と別格官幣社の列格を受けて創建。その後大正4年(1915年)、大正天皇即位を記念して、子の実美を合祀した。

境内には「染井の水」の他、上田秋成、湯川秀樹の歌碑や、実万が祈念していた軸の言葉を刻んだ天壌無窮の石碑、旧春興殿、虚中庵の茶室、桂の木の葉がハート形になっている愛の木などがある。また、約500株の萩が植えられており、別名萩の宮とも呼ばれており、9月中旬から下旬には萩祭りが行われる。

1977年1月1日、爆弾ゲリラ事件が発生、日本の新左翼活動家である加藤三郎が起こしたことが後日判明し、「梨木神社爆破事件」と言われる。加藤は「実美の三つの罪状(搾取と抑圧の明治政府樹立、他民族に対する侵略、反体制運動の弾圧)により、爆破の刑に処す」などと宣言、実行に移したが、本殿の一部が焦げる程度に被害は収まり、けが人などはなかった。

社殿の修復等の資金集めに苦慮していた2013年、境内の参道を含む土地をマンション開発業者に60年の期限付きで貸し、その地代を社殿の修復費用に充てることしたが、その計画が神社本庁の承認を得られなかったことから、神社本庁から離脱し単立神社となる。別表神社の神社本庁からの離脱は氣多大社以来のこととなる。

【ご利益】
学業成就、開運、厄除け、立身出世、国家安寧

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梨木神社 - 唯一現存する京都三名水の一つ「染井の水」がある明治元勲を祀る神社
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梨木神社の御朱印