毛野氏ゆかりの歴代武将や藤原四代に崇敬された駒形大神を祀る古社
[住所]岩手県奥州市水沢区中上野町1-83
[電話]0197-23-2851

駒形神社(こまがたじんじゃ)は、本社が岩手県奥州市、奥宮と里宮が岩手県胆沢郡金ケ崎町にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

『延喜式神名帳』にある「駒形神社(陸奥国・胆沢郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では国幣小社、現在は神社本庁の別表神社。近年は「全国一の宮会」に加盟しており、新一の宮として陸中国一宮

御祭神は六柱を総称して駒形大神(こまがたのおおかみ)としている。六柱は、

天照大御神(あまてらすおおみかみ)
天常立尊(あめのとこたちのみこと)
国狭立尊(くにのさたちのみこと)
吾勝尊(あかつのみこと)
・置瀬尊(おきせのみこと)
彦火尊(ひこほのみこと)

置瀬尊は天之杵火火置瀬尊とも。『日本書紀』一書に見える神で、アメノオシホミミの子であり、ニニギ・山幸彦の父ともされる。相応の神を比定するのは難しく、アメノオシホミミ - ニニギ - 山幸彦という系譜に関する異説の中に生まれた神といえそう。

上古の代、関東に毛野一族が台頭し、赤城山を崇敬し、赤城の神を祀って上野平野を支配したが、後に上毛野国と下毛野国に分れ、下毛野氏は日光火山に二荒山神社を創建。

休火山を背景として奉祀されたもので、赤城火山の外輪山にも駒形山があり、二荒山神社の古縁起に『馬王』という言葉が散見する。

上毛野・下毛野氏は、勢力を北にのばし、行く先々に祖国に習い、休火山で外輪山を持つ形のいい山を捜し出し、連山の中で二番目の高峰を駒ケ岳又は駒形山と名付け、駒形大神を奉祀した。

奥州にも及び、胆沢平野から雄姿を目にし、山頂に駒形大神を勧請し、駒ケ岳と命名した。これは、上毛野胆沢公によるものであり、時は第21代雄略天皇の御代。

このように全国の秀峰に祀られた駒形神社の中で、『延喜式神名帳』にあるのは宮城県栗原郡駒形根神社と当社の二社のみ。

当社が従四位下に神階を進めたのは、陸奥国胆沢城を創建した征夷大将軍の坂上田村麻呂による崇敬の念の篤かったことから始まり、この鎮守府の度々の上奏によるものとされる。

駒形という名称は、古く赤城神社をカラ社と呼んだ歌があり、コマをカラと歌った。当時の朝鮮は高麗朝で、文化伝来の憧れの国でもあったのでコマということばを用い世間に誇示したとされる。

箱根神社が駒形神社を奉祀するのは、朝鮮から高麗大神を勧請したと記載しているのと同様である。

このように赤城の神は駒形の神とも言える。坂上田村麻呂や源頼義・義家父子も駒形大神を篤く崇敬し、武運祈願成就し、奥州に栄華を築いた藤原四代の崇敬も篤かった。

平泉より北上川を隔てて、東に望む束稲山は駒形山とも言う。このことは峻険な駒ケ岳を度々登拝することは困難で、この山に駒形大神を奉祀したと考えられる。

箱根神社に藤原秀衡が銅をもって神像を鋳とあり、藤原四代と駒形大神の深い関係を示唆している。

江戸時代、駒ヶ岳は仙台藩と盛岡藩の境界で、里宮はそれぞれの藩内に一社ずつがあった。また、山頂の本宮(奥宮)は両藩によって20年目ごとに交互に建て替えがなされていた。

明治4年(1871年)、山頂の本宮(奥宮)が国幣小社に列するにあたり、参拝に不便であるとして、当時の水沢県県庁に近い鹽竈神社の本殿が仮遥拝所となされた。鹽竈神社は境内社の春日神社に遷座する。

明治7年(1874年)、社殿が改修されて正式な遥拝所となり、明治36年(1903年)に山頂の神霊が遥拝所に遷され、元は鹽竈神社のものであった社殿等一切は駒形神社に編入された。

鹽竈神社は境内別宮であった春日神社に合祀され、社名が「春日神社」から「鹽竈神社」に改称されることとなった。

2010年(平成22年)8月1日、山頂の奥宮にある老朽化した社殿を解体し、新しく社殿を造営した。

毎年5月3日午後3時から当社を出発・市内巡行する子供武者行列がある。平安時代後期、前九年の役・後三年の役と続いた当地方の戦乱を終結せしめた源頼義・義家父子にちなむもの。

当社のオリジナル御朱印帳も源頼義・義家父子と思われる騎馬武者をあしらったもの。

また、臼田甚五郎監修『日本神社一00選』に「日本神社100選」として掲載されている。

【ご利益】
産業開発、交通安全、必勝祈願、方位除け、家内安全(公式HP
駒形神社 - 毛野氏ゆかりの歴代武将や藤原四代に崇敬された駒形大神を祀る古社
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駒形神社の御朱印