「斐太遺跡群(吹上遺跡・斐太遺跡・釜蓋遺跡)」
北陸新幹線上越妙高駅西口に新潟県上越市が整備した「釜蓋遺跡公園」が今月オープン。国指定史跡に作られた4.8ヘクタールの広大な公園で、新幹線駅の目の前にこれだけ広大な遺跡公園を整備する例は全国的にも珍しく、ガイダンス施設西の広大な遺跡とその向こうに広がる南葉山などの山々の景色は、古代人が見た風景そのまま。発掘の見学や勾玉作り体験などができると言います。上越タウンジャーナルが報じています。画像は新潟県の斐太遺跡群紹介ページ(出典:新潟県

釜蓋遺跡(かまぶたいせき)は、約1800年前の弥生時代終わりごろから古墳時代初めごろにかけての集落跡。付近の吹上遺跡(ふきあげいせき)、斐太遺跡(ひだいせき)とともに斐太遺跡群(ひだいせきぐん)を構成しています。国の史跡です。

当時としてはかなりの人数が居住していた、大規模な集落跡(一説に東日本最大)であり、何より重要なのは、この地で糸魚川産のヒスイを曲玉に加工していたと考えられており、それが長野・諏訪地方に供給されていた可能性があること。いわばヒスイルート。

糸魚川はもちろんヌナカワヒメ、諏訪はその子とされるタケミナカタの鎮まる地。古事記にも描かれたこれらの舞台、そのまま、ということになります。オオクニヌシのラブロマンスを伝えた説話はやはり、ヒスイルートの存在とそれに関係しながら、この地に巨大な権力集団があったことを物語るという、斐太遺跡群はその物証ともなりえるものです。

公園は、「遺跡を体感するゾーン」「人々が交流するゾーン」「季節を表現するゾーン」「発信するゾーン」の四つのゾーンに分けられ整備されており、北陸新幹線の上越妙高駅からすぐのところ。古事記の息吹が感じられる新スポットとしても注目したいところです。時間があれば上越妙高駅で下車して是非とも寄ってみたい!

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