鎌倉期に熊野からの勧請で再興、田楽舞が有名な東京十社
[住所]東京都北区王子本町1-1-12
[電話]03-3907-7808

王子神社(おうじじんじゃ)は、東京都北区王子本町にある神社。近代社格では郷社、準勅祭社であり、現在は東京十社の一社。旧称王子権現。この一帯の「王子」という地名の由来である。

主祭神は伊弉諾命伊弉冉命天照大御神、速玉之男命、事解之男命。

創建は不詳だが、鎌倉時代の元亨2年(1322年) 当地の領主豊島氏が社殿を再興し、熊野新宮の浜王子より「若一王子宮」を改めて勧請・奉斎した。熊野信仰(熊野三山)に基づくもの。

別当は王子稲荷(現 王子稲荷神社)とともに金輪寺だった。現在でも両社は地理的に近いが、江戸期には王子権現・王子稲荷と並び称される存在だった。『江戸名所図会』にも記載されている。

明治初期に准勅祭社に指定され、郷社となる。昭和20年(1945年)、戦災で社殿が焼失する。昭和39年(1964年)、昭和57年(1982年)の二回の造営を経て社殿を再建。

田楽舞が有名で、8月の例大祭に奉納される。北区無形民俗文化財に指定されている。

境内社として、関神社がある。主祭神は蝉丸公、逆髪姫、古屋美女。

「蝉丸公」は延喜帝(醍醐天皇)の第4皇子、髪の毛が逆髪である故に嘆き悲しむ姉君「逆髪姫」のために侍女「古屋美女」に命じて「かもじ・かつら」を考案し髪を整える工夫をした。

そのことから、「音曲諸芸道の神」「髪の祖神」と崇敬を集め、関蝉丸神社として、滋賀県大津の逢坂山に祀られている。

そのご神徳を敬仰する人達が「かもじ業者」を中心として江戸時代に当社に奉斎された。

昭和20年(1945年)4月13日に戦災により社殿が焼失、昭和34年(1959年)5月24日に全国各地の「かもじ・かつら・床山・舞踊・演劇・芸能・美容師」の浄財により再建された。

【ご利益】
開運招福、運気回生、厄除け、家内安全、身体健全、交通安全、子育大願(公式HP
王子神社(東京都北区) - 鎌倉期に熊野からの勧請で再興、田楽舞が有名な東京十社
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