神宮125社、外宮・所管社 往時は重要な儀式が行われた場所
[住所]三重県伊勢市豊川町
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御酒殿神(みさかどののかみ)は、三重県伊勢市豊川町にある神社。

伊勢の神宮(伊勢神宮)、神宮125社の一社で、豊受大神宮(外宮)の所管社の一社。外宮所管社4社の第1位。伊勢神宮125社めぐりの中で外宮めぐりの一社。外宮の宮域内にある。

皇大神宮の所管社にも伊勢市宇治館町の内宮域内に御酒殿神という同名の神社があり、当社と同じ神を祀る。御祭神は両社ともに御酒殿神(みさかどののかみ)。御酒殿の神。

かつては御酒殿で神酒を醸造し、神前に供えていたが、醸造は忌火屋殿(いみびやでん)で行われるようになったため、三節祭と呼ばれる6月と12月の月次祭及び10月の神嘗祭の際に一時的に神前に供える酒を納めるために利用される。

御酒殿に納められる酒は、白酒(しろき)、黒酒(くろき)、醴酒(れいしゅ)、清酒(せいしゅ)の4種類。

清酒のみ篤志家からの献納を受け、ほかの3種の酒は内宮の忌火屋殿で醸造する。

なお、三節祭以外の神事で酒を神前に納める際には、醴酒と清酒を、日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい、常典御饌とも)の際には清酒のみを御酒殿に納める。

古代の御酒殿神では、火無浄酒(ほなしきよさけ)と呼ばれる粢(しとぎ、米を水に浸して砕いた物)に外宮所管社の上御井神社の御井から汲んだ水を加えただけの酒と、火向御酒(ほむけのかんみき)と呼ばれる甘酒の2種類を醸造した。

御酒殿祭(みさかどのさい)は、年3回、6月、10月、12月に催行される神事。神前に捧げる酒の醸造の成功と日本の酒造業の繁栄を祈願し、御酒殿に糀を奉納する。

当社は、外宮神域の北御門参道脇にある忌火屋殿の奥に鎮座する。一般の参拝者が立ち入ることのできない区域にあるため、忌火屋殿前から遥拝する。明治43年(1910年)11月に造り替えられている。

今ではひっそりと佇んでいるが、近世まで隣に務所庁(まつりごとや)があり、斎殿(いみどの)、三つの炊事所が並び、直会が当社の前庭などで行われ、外宮の祭儀において重要な場所であった。

『止由気神宮儀式帳』によれば、御酒殿は長さ25尺(約7.5メートル)、広さ16尺(約4.8メートル)、高さ9尺(約2.7メートル)であった。

昭和52年(1977年)の神嘗祭に醸造された神宮の酒は、伊勢市楠部町の神宮神田で収穫した白米25キロ、四日市市の業者から入荷した米麹2.7キロ、上御井神社の御井の水30リットルを酒母なしで一度に仕込むどぶろく仕込み。

仕込んでから12日後にできた酒を二つに分け、何も入れない方を白酒、草木の灰を加えたものを黒酒とした。同年度の神宮の酒造量は180リットルであった。(加藤百一「清酒を造る神社」)

白酒・黒酒の製法は濁り酒だが濾過を行うため、日本の法律上「清酒」扱いとなるが、醴酒はアルコール度数が1%未満であるので、法律上「酒」ではない。

同じく外宮の境内や域内にあるものに、外宮の別宮である多賀宮土宮風宮、摂社である度会国御神社度会大国玉比賣神社山末神社、末社である伊我理神社井中神社大津神社、所管社である四至神、上御井神社、下御井神社がある。

【ご利益】
酒造

豊受大神宮(外宮)所管社
序列1 御酒殿神 (伊勢市豊川町)
序列2 四至神 (伊勢市豊川町)
序列3 上御井神社 (伊勢市豊川町)
序列4 下御井神社 (伊勢市豊川町)

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