神宮125社、外宮・摂社 序列2位、伊勢氏の祖としての大若子命、乙若子命
[住所]三重県伊勢市常磐1-5
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大間国生神社(おおまくなりじんじゃ)は、三重県伊勢市常磐にある神社。

伊勢の神宮(伊勢神宮)、神宮125社の一社で、豊受大神宮(外宮)の摂社の一社。外宮摂社16社の第2位。伊勢神宮125社めぐりの中で宮川めぐりの一社。

『延喜式神名帳』にある「大間国生神社(伊勢国・度会郡)」に比定される式内社(小社)。

大間広と呼ばれる台地上に鎮座する外宮の摂社・草奈伎神社の境内にある。一の鳥居から宮域に入り、向かって左側(西側)が草奈伎神社、右側(東側)が当社。

宮域面積は1744平方メートル。賽銭箱は置かれていない。鎮座地は南側が伊勢市道に面するほかは三方を住宅地に囲まれている。

御祭神は大若子命(おおわかこのみこと、おおわくごのみこと)、乙若子命(おとわかこのみこと)。

両神とも京都市にある梅宮大社の御祭神と同じで、梅宮大社においてはニニギ山幸彦の親子となる。

鎮座地の大間広を開拓した神であり、天日別命の子孫であるとされる。

天日別命は、『伊勢国風土記』逸文にみえる豪族で、天御中主尊の子孫。初代神武天皇の東遷の際、伊勢を平定し統治したという。伊勢氏の祖。

大若子命は鳥羽市沖の答志島・和具の古墳に、乙若子命は志摩市志摩町和具の古墳に葬られているという。

『倭姫命世記』 によれば、倭姫命が第21代雄略天皇21年丁巳冬10月に定めた神社であるとされ、大若子命の別名である大幡主命を祀るとし、社名は「大間社」と記す古書もある。

社殿は草奈伎神社と同様に神明造の板葺。

一つの玉垣の中に二つの社殿が建っており、右側(東側)が大間社で大若子命を、左側(西側)が国生社で乙若子命を祀るとされる。

多くの古書に二つの社殿からなることが記されているが、『延喜式神名帳』では「大間国生神社」とあるのみで二つの社殿があるとは記されていない。昭和51年(1976年)5月28日に建て替えられた。

『類聚神祇本源』では、同じく外宮の摂社である清野井庭神社が「大間社東野」にあり、草名伎社が「大間社西」にあったと記述しており、清野井庭神社を同市宮町1丁目の伊勢高柳商店街にある今社に比定する説があり、それが正しいとすれば、当社と草奈伎神社の位置がずれることになる。

この問題に関して『宇治山田市史』では、往古の当社は江戸時代よりも広い社地を持っていたと考えられるが、清野井庭神社の再興時点での当社の社地を基準に考えてしまったため、現社地(伊勢市常磐1丁目8番)に清野井庭神社が鎮座したのであり、今社が式内社「清野井庭神社」の本来の社地であるとしている。

中世に廃絶し、近世には社地不明となる。禰宜度会常晨(桧垣常晨)の尽力により、正保2年(1645年)に現社地で再興。

現社地が古代の社地と同じであるかどうかについては近世にも議論があったが、遷座することはなかった。

多くの摂社が再興された寛文3年(1663年)には、すでに再興されていた当社と草奈伎神社では社殿の建て替えと宮域の画定が行われた。

社殿は昭和51年(1976年)6月25日に建て替えられた。当社は、第二次世界大戦中の昭和20年(1945年)7月29日、宇治山田空襲により被災した。

歳旦祭(1月)、元始祭(1月)、建国記念祭(2月11日)、風日祈祭(5月・8月)、天長祭(12月23日)を遥祀により、祈年祭(2月)、月次祭(6月・12月)、神嘗祭(10月)、新嘗祭(11月)は社殿の前で巡回祭祀により執行する。

【ご利益】
伊勢開拓の神、家庭円満、子孫繁栄
大間国生神社 - 神宮125社、外宮・摂社 序列2位、伊勢氏の祖としての大若子命、乙若子命
豊受大神宮(外宮)摂社
序列1 草奈伎神社 (伊勢市常磐)
序列2 大間国生神社 (伊勢市常磐)
序列3 度会国御神社 (伊勢市豊川町)
序列4 度会大国玉比賣神社 (伊勢市豊川町)
序列5 田上大水神社 (伊勢市藤里町)
序列6 田上大水御前神社 (伊勢市藤里町)
序列7 志等美神社 (伊勢市辻久留)
序列8 大河内神社 (伊勢市辻久留)
序列9 清野井庭神社 (伊勢市常磐)
序列10 高河原神社 (伊勢市宮後)
序列11 河原神社 (伊勢市御薗町)
序列12 河原淵神社 (伊勢市船江)
序列13 山末神社 (伊勢市豊川町)
序列14 宇須乃野神社 (伊勢市御薗町)
序列15 御食神社 (伊勢市神社港)
序列16 小俣神社 (伊勢市小俣町)

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