神宮125社、内宮・摂社 ヤマトヒメが船を止めた地にある水上交通の守護神
[住所]三重県多気郡多気町土羽字南出505
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御船神社(みふねじんじゃ)は、三重県多気郡多気町土羽にある神社。

伊勢の神宮(伊勢神宮)、神宮125社の一社で、皇大神宮(内宮)の摂社の一社。内宮摂社27社の第24位。伊勢神宮125社めぐりの中で外城田めぐりの一社。

『延喜式神名帳』にある「大神乃御船神社(伊勢国・度会郡)」に比定される式内社(小社)。

鎮座地の地名「土羽」は「止場」を意味し、倭姫命の船が止まったことに由来する。社殿は神明造で玉垣に囲まれている。賽銭箱は置かれていない。

社地の面積は975坪(約3223平方メートル)。内宮の末社・牟弥乃神社が同座している。

御祭神は大神御蔭川神(おおかみのみかげかわのかみ)。田畑を潤す外城田川の守護神、または水上交通の守護神。内宮の摂社である蚊野神社でも祀られている。

「御蔭」には霊魂、恩恵(=おかげ)の意味があり、『神宮典略』では神田に引水する川のほとりに祀った大神の霊であると解説している。

御祭神には異説があり、『伊勢二所太神宮神名秘書』は「大神乃御船神」、『延喜式神名帳僻案集』は「天鳥船神」、『伊勢国神名帳考證』では「鳥石楠船神」とする。

ヤマトヒメが外城田川(ときだがわ)を遡上する旅の途上に船を停泊し、定めた神社。ヤマトヒメがここで止まったのは、川幅が狭くなり船が通れなくなったからとされる。

式内社名「大神乃御船」とは、天照大神が乗る船を意味するものと見られ、薗田守良は、天照大神の御神体を奉安する御樋代を納める御船代(みふなしろ)が遷御後に当者に納められたのではないか、と推定している。

中世以降祭祀が断絶し、寛文3年(1663年)8月29日に現社地で再興された。この時、堀の跡や古い柱の穴や朽ちた木が発見されため、旧社地と考えられた。

御巫清直はこの地を旧社地に比定する説を支持したが、中川経雅は土羽村の隣の村にある、里人が「御船社」と俗称する氏神が旧社地であると主張した。

天保14年(1843年)、神社の入り口に常夜灯が設置された。明治4年(1871年)に中世以降社地不明となっていた牟弥乃神社を当社に同座させた。

【ご利益】
海上交通、さらに広く交通安全
御船神社 - 神宮125社、内宮・摂社 ヤマトヒメが船を止めた地にある水上交通の守護神
皇大神宮(内宮)摂社
序列1 朝熊神社 (伊勢市朝熊町)
序列2 朝熊御前神社 (伊勢市朝熊町)
序列3 園相神社 (伊勢市津村町)
序列4 鴨神社 (度会郡玉城町)
序列5 田乃家神社 (度会郡玉城町)
序列6 田乃家御前神社 (度会郡玉城町)
序列7 蚊野神社 (度会郡玉城町)
序列8 蚊野御前神社 (度会郡玉城町)
序列9 湯田神社 (伊勢市小俣町)
序列10 大土御祖神社 (伊勢市楠部町)
序列11 国津御祖神社 (伊勢市楠部町)
序列12 朽羅神社 (度会郡玉城町)
序列13 宇治山田神社 (伊勢市中村町)
序列14 津長神社 (伊勢市宇治)
序列15 堅田神社 (伊勢市二見町)
序列16 大水神社 (伊勢市宇治)
序列17 江神社 (伊勢市二見町)
序列18 神前神社 (伊勢市二見町)
序列19 粟皇子神社 (伊勢市二見町)
序列20 川原神社 (伊勢市佐八町)
序列21 久具都比賣神社 (度会郡度会町)
序列22 奈良波良神社 (度会郡玉城町)
序列23 棒原神社 (度会郡玉城町)
序列24 御船神社 (多気郡多気町)
序列25 坂手国生神社 (度会郡玉城町)
序列26 狭田国生神社 (度会郡玉城町)
序列27 多岐原神社 (度会郡大紀町)

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