神宮125社、内宮・摂社 序列25位の内宮の神田を守護する水神を祀る
[住所]三重県度会郡玉城町上田辺字大山田二144-1
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坂手国生神社(さかてくなりじんじゃ)は、三重県度会郡玉城町上田辺にある神社。

伊勢の神宮(伊勢神宮)、神宮125社の一社で、皇大神宮(内宮)の摂社の一社。内宮摂社27社の第25位。伊勢神宮125社めぐりの中で田丸めぐりの一社。

『延喜式神名帳』にある「坂手国生神社(伊勢国・度会郡)」に比定される式内社(小社)。

牛尾崎池西隣の丘の上に鎮座する。玉城町にある13の内宮摂末社のうちの一社。地域では「さかだいさん」と呼ばれ、親しまれている。

社殿は緩やかな石段の参道を登ったところにある。社地の面積は7反5畝12歩(約7478平方メートル)、社殿は神明造の板葺。玉垣と鳥居を備える。

古代の社地は5町四方(約49,585平方メートル)、社殿は長さ5尺(約1.51メートル)×広さ3.6尺(約1.09メートル)×高さ4.2尺(約1.27メートル)だった。

御祭神は高水上命(たかみなかみのみこと)。内宮の神田を守護する水神である。御神体は石。

高水上命は大水上命(おおみなかみのみこと)の子であるとされ、内宮末社で玉城町内にある小社神社や、やはり内宮末社である宇治乃奴鬼神社石井神社でも祀られている。

大水上命の御魂とされる御裳乃須蘇比売命は、内宮末社の那自賣神社で祀られている。

伝承によると、外城田川(寒川)を遡ってきた倭姫命を高水上命が出迎え、「田上神田」を献上したことから、当社が定まった。

元伊勢の一つ坂手神社にも、坂手大神の伝承が残り、御祭神も同一の可能性がある。明治維新まで神社周辺に「田上神田」という内宮の御料田があり、毎年18俵の米を納めていた。

中世には廃絶し、江戸時代前期の寛文3年(1663年)9月8日に棒原神社とともに河邊精長以下の神職らが遷宮を行って再興された。

再興まで社地が不明となっていたため、複数の候補地が挙げられた。

御巫清直は再興地が旧社地とは異なると非難、上田辺の薬師堂の建つ丘が旧社地であるとした。社殿は明治37年(1904年)4月に建て替えられた。

三節祭(月次祭・神嘗祭)、祈年祭、新嘗祭、臨時奉幣祭の際には神職らが社頭で祭祀を執り行う。民間信仰では毎月1日と15日に参拝を行う者がある。

太平洋戦争終結前までは近隣商店で鉄製の小型鳥居を買い求め、社頭に納める風習があったという。また9月9日に「白石神事」が行われる。

【ご利益】
内宮の神田を守護する水神

皇大神宮(内宮)摂社
序列1 朝熊神社 (伊勢市朝熊町)
序列2 朝熊御前神社 (伊勢市朝熊町)
序列3 園相神社 (伊勢市津村町)
序列4 鴨神社 (度会郡玉城町)
序列5 田乃家神社 (度会郡玉城町)
序列6 田乃家御前神社 (度会郡玉城町)
序列7 蚊野神社 (度会郡玉城町)
序列8 蚊野御前神社 (度会郡玉城町)
序列9 湯田神社 (伊勢市小俣町)
序列10 大土御祖神社 (伊勢市楠部町)
序列11 国津御祖神社 (伊勢市楠部町)
序列12 朽羅神社 (度会郡玉城町)
序列13 宇治山田神社 (伊勢市中村町)
序列14 津長神社 (伊勢市宇治)
序列15 堅田神社 (伊勢市二見町)
序列16 大水神社 (伊勢市宇治)
序列17 江神社 (伊勢市二見町)
序列18 神前神社 (伊勢市二見町)
序列19 粟皇子神社 (伊勢市二見町)
序列20 川原神社 (伊勢市佐八町)
序列21 久具都比賣神社 (度会郡度会町)
序列22 奈良波良神社 (度会郡玉城町)
序列23 棒原神社 (度会郡玉城町)
序列24 御船神社 (多気郡多気町)
序列25 坂手国生神社 (度会郡玉城町)
序列26 狭田国生神社 (度会郡玉城町)
序列27 多岐原神社 (度会郡大紀町)

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