大神神社 春の大神祭における神楽「うま酒みわの舞」
奈良県桜井市三輪の大神神社で2015年4月9日、「若宮神幸祭」が行われ、時代装束姿の氏子や稚児、神職らが三輪の里を巡りました。8-10日の3日間にわたって国家安泰と五穀豊穣(ほうじょう)を祈る例祭「春の大神祭」の行事の一つです。奈良新聞が報じています。写真は、春の大神祭における神楽「うま酒みわの舞」(出典:大神神社)。

若宮の御霊代をお遷しした神輿や時代衣装を着た行列が三輪の里を練り歩くというもので、 古事記にも記載される御祭神の大田田根子命(おおたたねこのみこと=オオタタネコ)をお迎えした第十代崇神天皇の御世の故事に由来するものと伝えられています。

4月8日には大直禰子神社(若宮)例祭、春の大神祭宵宮祭があり、そして4月9日が春の大神祭。2000年来の伝統を誇る大祭で、氏子崇敬者多数参列の下、一年に一度の例祭が斎行されます。神楽「うま酒みわの舞」が4人の巫女により優雅に奏されることでも知られています。

同じく4月9日に行われるのが若宮神幸祭。オオタタネコの御分霊を神輿に遷し、神職や時代装束に身を包んだ氏子が神輿のお供をして三輪の町中を巡幸します。桜の花が舞う中の華やかな時代行列を多くの人々が見守ります。

4月10には、「春の大神祭」が無事に斎行されたことを感謝する祭典・春の大神祭後宴祭が行われます。オオタタネコの御分霊が大直禰子神社に戻ります。さらに後宴能が奉納され、例祭が締めくくられます。

崇神天皇は御祭神オオモノヌシの祟りを恐れ、必死になってその子孫であるオオタタネコを探し出し、そうして誕生したのが大神神社。その一年で最も重要な祭典。その主役がオオタタネコであることを思うと、古事記の説話をより身近に、より強烈に感じ取れるような気がします。

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