空海による創建、高野山の官省符荘の鎮守、世界遺産の古社
[住所]和歌山県伊都郡九度山町慈尊院835
[電話]0736-54-2754

丹生官省符神社(にうかんしょうぶじんじゃ)は、和歌山県伊都郡九度山町にある神社。近代社格では郷社。ユネスコの世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産の一つ。本殿などが重要文化財に指定されているほか、境内には国の史跡「高野山町石」がある。

主祭神は、丹生都比売大神、高野御子大神、大食都比売大神市杵島比売大神。もとはこの四神に太神宮(天照大御神)、八幡宮(誉田別大神)、春日明神(天児屋根大神)の三社を祀り、神宮寺の神通寺をあわせ神通寺七社明神とも呼んだ。

社伝によれば、弘仁7年(816年)に空海によって創建された。高野山の領する官省符荘の鎮守とされ、応永3年(1396年)の文書に「官省符鎮守・神通寺七社」と記録がある。

この他にも神通寺七社明神の記録があり、七社のほかに十二王子社、百二十番神社などの名前が挙げられている。

また、『紀伊続風土記』によれば、七社のうち丹生・高野の両神は弘仁年間に空海が勧請し、十二王子と百二十番神の2社が同時に勧請され、気比・厳島の2神は文明年間に勧請されたと伝えられており、これら4社は天文年間の洪水によって昔の境内が沈んでしまったので移転したという。

1910年(明治43年)に九度山、入郷、慈尊院(現・九度山町)にあった諸社を合祀し、1946年(昭和21年)、現社名に改称した。

近隣にある、やはり同じ世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産の一つである丹生都比売神社の御祭神と全く同一。由緒も極めてよく似ているのが特徴。ただし、本殿での祀られ方は、下記の通り。

第一殿
丹生都比売大神(丹生明神)…天照大御大神の御妹
高野御子大神(高野明神)…真言密教の守護神 丹生都比売大神の御子 導きの神
天照大御神(天照大神)…日の神

第二殿
大食都比売大神(気比明神)…五穀酒造の神
誉田別大神(八幡大神)…応神天皇に坐して武勇の神
天児屋根大神(春日大神)…神事祭祀の神

第三殿
市杵島比売大神(嚴島明神)…福徳寿の神

【ご利益】
子授け、安産、縁結び、家内安全、試験合格、商売繁盛、交通安全、厄祓など(公式HP
丹生官省符神社 - 空海による創建、高野山の官省符荘の鎮守、世界遺産の古社
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