世界遺産「石見銀山」の一部、銀山の守り神五柱を祀る
[住所]島根県大田市大森町銀山地区
[電話]0854-89-9090 - 石見銀山

佐毘売山神社(さひめやまじんじゃ)は、島根県大田市大森町にある神社。石見銀山(大森銀山)の中に鎮座し、御祭神は金山彦命。ユネスコの世界文化遺産「石見銀山遺跡とその文化的景観」の一部。

「さひめ山」とは、三瓶山の古名。神亀3年(726年)に朝廷の命令で、三瓶山に改名した。三瓶山は、古代出雲や物部氏に関係が深い山とされている。

佐比売山という漢字を使う神社も含めて、「さひめやま」と称する神社は大田市周辺に7社、益田市に1社ある。また、物部神社の境内末社である一瓶社にも佐比売山三瓶大明神が祀られている。

「さひめ」の『さ』は穀物霊や、鉄を表しているとの説がある。別名は山神社といい、鉱夫や里人からは「山神(さんじん)さん」と呼ばれていた。

当社は益田市の同名神社を分祀したとも伝わる。もともと、金山姫埴山姫木花咲耶姫の三女神を祭った姫山神社だった。

室町時代の永享6年(1434年)、室町幕府第6代将軍足利義教の命で、領主の大内氏が、石見国美濃郡益田村(現在の益田市)から金山彦命を勧請した。

それと同時に大山祇命も合祀し、五社大権現と称したという説と、領主の大内氏によって大永年間(1521年-1528年)に建立されたとの説がある。

石見銀山の坑道の一つである龍源寺間歩の出口の約200メートル東に位置する。東南方向に100段の石段を上がると、巨石の上に社殿が鎮座している。

石段に向かって左の谷を出土谷、右の谷を昆布山谷と言い、龍源寺間歩出口のある場所を含めた、川の流れる背後を栃畑谷と言う。

拝殿の重層屋根は天領の神社である格式を示している、という。境内から北方向に要害山の山吹城跡が望まれる。

また、大永年間に銀山開発を行った博多の豪商 神屋寿禎(かみやじゅてい:神谷寿貞などとも)が導入した「灰吹法」はこの付近で初めて導入されたとされる。

また、寿禎に従って銀山に入り、内紛で殺され、祟ったとされる鉱夫の於紅孫右衛門も当社に祀られている。

社殿は西北風(あなじ)が吹いてくる北西に向かって鎮座している。益田市乙子町にある同名の佐毘売山神社も比礼振山の山頂付近に北西向きで鎮座している。

「石見銀山遺跡(大森町の街並み、銀山街道、温泉津の街並み)」(2007年)として、美しい日本の歴史的風土100選の一つにも選ばれている。

【ご利益】
商売繁盛、健康長寿、工事安全など(石見銀山と佐毘売山神社を守る会
佐毘売山神社(大田市) - 世界遺産「石見銀山」の一部、銀山の守り神五柱を祀る
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