タケミカヅチの本宮かもしれない、多くの謎をはらむ“塩”の神祀る古社
[住所]宮城県塩竈市一森山1番1号
[電話]022-367-1611 - 志波彦神社・鹽竈神社
鹽竈神社(しおがまじんじゃ)は、宮城県塩竈市一森山にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。歴史的な一宮としての陸奥国一宮で、近代社格では国幣中社。「全国一の宮会」に加盟している。
全国にある鹽竈(鹽竃・塩竈・塩竃・塩釜・塩釡)神社の総本社。江戸期に成立した20年に一度の式年遷宮が、現在に至るまで行われている神社としても知られている。
御祭神は、塩土老翁神、武甕槌神、経津主神。武甕槌命、経津主神が東北を平定した際に両神を先導した塩土老翁神がこの地に留まり、現地の人々に製塩を教えたことが創建事由。
『古事記』において、塩土老翁神は兄・海幸彦のいじめにあった山幸彦を導く役割で登場する。
名に「塩」はついているが、古事記においては特に製塩についての話はなく、武甕槌命との絡みもない。経津主神と、武甕槌命による東北平定についても『古事記』に記載はない。
弘仁11年(820年)に撰進された『弘仁式』に記載があり、延長5年(927年)の『延喜式』にも記載があるものの、『延喜式神名帳』には記載がない式外社。
中央から一貫して注視されていたにもかかわらず、神階昇叙の記録もなく、謎とされる。
一般的には、陸奥国総社は多賀城市の陸奥総社宮とはされているが、記録がほとんどない陸奥国総社について、当社が陸奥国総社だったのではないかとする説がある。
奈良県奈良市に鎮座する春日大社の縁起を伝える『春日権現験記』(1309年)では、武甕槌神は陸奥国塩竈浦(当社地)に天降り、やがて茨城県鹿嶋市の鹿島神宮に遷ったとされる。
タケミカヅチといえば鹿島神宮、そこから勧請を受けた春日大社が有名だが、当社はタケミカヅチの本宮の可能性がある、ことになる。
中世、近世を通じて当地の権力者を中心に多くの崇敬を集めた。明治期、式内名神大社で先に国幣中社になっていた志波彦神社が当社境内に遷ってきたため、同じく国幣中社となる。
戦後、近代社格制度がなくなるとともに、志波彦神社・鹽竈神社として、神社本庁の別表神社となった。摂社に式内名神大社の「鼻節神社」がある。
境外末社に本町の御釜神社があり、「塩竈」の地名の由来とされる竈が境内に安置され、毎年7月の当社例祭の神饌を調進する特殊神事「藻塩焼神事」が行われる。
仙台藩四代藩主伊達綱村の元禄8年(1695年)に地鎮が行われ、五代伊達吉村の宝永元年(1704年)に竣工した社殿14棟を含む文物が国の重要文化財に指定されている。
「鹽竈神社の鹽竈ザクラ」として、国の天然記念物に指定されている。
なお、当社のほか、馬場都都古別神社(福島県東白川郡棚倉町馬場)、八槻都都古和気神社(福島県東白川郡棚倉町八槻)、石都々古和気神社(福島県石川郡石川町)も陸奥国一宮を称す。
伊勢の神宮(伊勢神宮)、神宮125社の一社で、豊受大神宮(外宮)の末社である志宝屋神社では、当社から御祭神を勧請したという伝承が伝わる。
志波彦神社・鹽竈神社として、境内は、モミジやカエデの紅葉が美しい紅葉の名所として有名。例年10月末に色づき始め、11月中旬に見頃となる。
また、志波彦神社とともに、臼田甚五郎監修『日本神社一00選』に「日本神社100選」として掲載されている。また、当社は進藤彦興『詩でたどる日本神社百選』に掲載されている。
【ご利益】
海上安全、大漁満足、武運長久、交通安全、必勝・成功、厄除け・方除けなど(公式HP)
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全国にある鹽竈(鹽竃・塩竈・塩竃・塩釜・塩釡)神社の総本社。江戸期に成立した20年に一度の式年遷宮が、現在に至るまで行われている神社としても知られている。
御祭神は、塩土老翁神、武甕槌神、経津主神。武甕槌命、経津主神が東北を平定した際に両神を先導した塩土老翁神がこの地に留まり、現地の人々に製塩を教えたことが創建事由。
『古事記』において、塩土老翁神は兄・海幸彦のいじめにあった山幸彦を導く役割で登場する。
名に「塩」はついているが、古事記においては特に製塩についての話はなく、武甕槌命との絡みもない。経津主神と、武甕槌命による東北平定についても『古事記』に記載はない。
弘仁11年(820年)に撰進された『弘仁式』に記載があり、延長5年(927年)の『延喜式』にも記載があるものの、『延喜式神名帳』には記載がない式外社。
中央から一貫して注視されていたにもかかわらず、神階昇叙の記録もなく、謎とされる。
一般的には、陸奥国総社は多賀城市の陸奥総社宮とはされているが、記録がほとんどない陸奥国総社について、当社が陸奥国総社だったのではないかとする説がある。
奈良県奈良市に鎮座する春日大社の縁起を伝える『春日権現験記』(1309年)では、武甕槌神は陸奥国塩竈浦(当社地)に天降り、やがて茨城県鹿嶋市の鹿島神宮に遷ったとされる。
タケミカヅチといえば鹿島神宮、そこから勧請を受けた春日大社が有名だが、当社はタケミカヅチの本宮の可能性がある、ことになる。
中世、近世を通じて当地の権力者を中心に多くの崇敬を集めた。明治期、式内名神大社で先に国幣中社になっていた志波彦神社が当社境内に遷ってきたため、同じく国幣中社となる。
戦後、近代社格制度がなくなるとともに、志波彦神社・鹽竈神社として、神社本庁の別表神社となった。摂社に式内名神大社の「鼻節神社」がある。
境外末社に本町の御釜神社があり、「塩竈」の地名の由来とされる竈が境内に安置され、毎年7月の当社例祭の神饌を調進する特殊神事「藻塩焼神事」が行われる。
仙台藩四代藩主伊達綱村の元禄8年(1695年)に地鎮が行われ、五代伊達吉村の宝永元年(1704年)に竣工した社殿14棟を含む文物が国の重要文化財に指定されている。
「鹽竈神社の鹽竈ザクラ」として、国の天然記念物に指定されている。
なお、当社のほか、馬場都都古別神社(福島県東白川郡棚倉町馬場)、八槻都都古和気神社(福島県東白川郡棚倉町八槻)、石都々古和気神社(福島県石川郡石川町)も陸奥国一宮を称す。
伊勢の神宮(伊勢神宮)、神宮125社の一社で、豊受大神宮(外宮)の末社である志宝屋神社では、当社から御祭神を勧請したという伝承が伝わる。
志波彦神社・鹽竈神社として、境内は、モミジやカエデの紅葉が美しい紅葉の名所として有名。例年10月末に色づき始め、11月中旬に見頃となる。
また、志波彦神社とともに、臼田甚五郎監修『日本神社一00選』に「日本神社100選」として掲載されている。また、当社は進藤彦興『詩でたどる日本神社百選』に掲載されている。
【ご利益】
海上安全、大漁満足、武運長久、交通安全、必勝・成功、厄除け・方除けなど(公式HP)
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