「養父の明神さん」農業の神として知られる但馬国三宮、紅葉の名所
[住所]兵庫県養父市養父市場840
[電話]079-665-0252

養父神社(やぶじんじゃ)は、兵庫県養父市にある神社。「養父の明神さん」と呼ばれ、農業の神として知られる。

『延喜式神名帳』にある「夜夫坐神社(但馬国・養父郡)」に比定される式内社(名神大社)。但馬国三宮で、近代社格では県社但馬五社の一社。

当社のある養父市場は古くから但馬牛の牛市の中心地であり、現在でも近隣の大藪で但馬牛のせり市が開かれている。

『播磨国風土記』宍禾郡御方里条では、葦原志許乎命(大己貴命)と天日槍命が黒葛を投げて国占を争ったという伝説が記されている。

葦原志許乎命の投げた黒葛3本のうち1本は但馬養父郡に落ちたと伝えられ、郡名を冠する当社は相当古くから鎮座しているとされる。

ちなみに、他の2本は、気多郡で気多神社、播磨国宍粟郡御方で御形神社。天日槍命は1ヶ所にしか落ちず、出石郡の出石神社

御祭神は、倉稲魂命、大己貴命、少彦名命谿羽道主命(たにはみちぬしのみこと)、船帆足尼命(ふなほそこねのみこと)の五柱。

船帆足尼命はあまり知られていないが、第9代開化天皇の皇子で、御祭神の一柱・谿羽道主命の父であるヒコイマスの、その五世の孫で、但馬国造の初代に任命された人物。但馬開拓の祖である。

第10代崇神天皇30年の創祀と伝えられ、天平9年(737年)の『但馬国税正帳』にも但馬国一宮である出石神社、但馬国二宮である粟鹿神社とともにその名が見える。

10月10日が秋季大祭で例祭、また秋の紅葉でも有名で、紅葉の名所となっている。4月15日・16日に齋神社でお走り祭りがあり、当社神輿が齋神社まで往復する。

なお、近隣に、合祀や分祀を繰り返し、同じく但馬国三宮と呼ばれる水谷神社がある。

【ご利益】
五穀豊穣、国土安寧、病気平癒、但馬開拓の神(公式HP
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