命の根源たる水が豊富な「那智大瀧」を仰ぐ信仰、熊野三山の一つ
[住所]和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山1
[電話]0735-55-0321
熊野那智大社(くまのなちたいしゃ)は、和歌山県東牟婁郡那智勝浦町にある神社。熊野本宮大社、熊野速玉大社とともに熊野三山を構成する。参拝すれば、御朱印を頂ける。
近代社格では官幣中社、現在は神社本庁の別表神社。熊野三山はユネスコの世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産として登録されている。熊野三山として、日本三熊野の一社。
参道の長い石段の上は、右に青岸渡寺があり、左は朱の大鳥居と大社の境内が続いている。
拝殿の奥には鈴門・瑞垣を挟んで本殿があり、向かって右から滝宮(第一殿)、証誠殿(第二殿)、中御前(第三殿)、西御前(第四殿)、若宮(第五殿)が並んでいる。
正殿の第四殿が最も大きく、若宮の左手前には第六殿(八社殿)がある。
創祀は滝への信仰として神代から、創建は第16代仁徳天皇5年と伝わる。熊野本宮大社、熊野速玉大社が十二殿あるのに対して、当社は六殿。しかし十三の宮などがある。
上五社
第一殿 - 瀧宮 - 大己貴命(飛瀧権現)
第二殿 - 證証殿 - 家津御子大神、国常立尊
第三殿 - 中御前 - 御子速玉大神
第四殿 - 西御前 - 熊野夫須美大神→主祭神
第五殿 - 若宮 - 天照大神
中四社
第六殿 - 八社殿 - 禅児宮 - 忍穂耳尊
第六殿 - 八社殿 - 聖宮 - 瓊々杵尊
第六殿 - 八社殿 - 児宮 - 彦火火出見尊
第六殿 - 八社殿 - 子守宮 - 鵜葺草葺不合命
下四社
第六殿 - 八社殿 - 一万宮・十万宮 - 国狭槌尊、豊斟渟尊
第六殿 - 八社殿 - 米持金剛 - 泥土煮尊
第六殿 - 八社殿 - 飛行夜叉 - 大戸道尊
第六殿 - 八社殿 - 勧請十五所 - 面足尊
第一殿から第六殿まで、国の重要文化財に指定されている。中四社は熊野本宮大社、熊野速玉大社とほぼ共通。下四社は熊野速玉大社と同様、神世七代を祀る。
『古事記』には天照大神と須佐之男命の誓約で生まれた八柱のうちの一柱に熊野久須毘命という神が記載されており、神名から熊野(=熊野三山)との関連が指摘される場合がある。
ともかく、家津御子大神、御子速玉大神、熊野夫須美大神など、他の二大社とも共通しているが、やはり当社の特徴は何といつても大己貴命(飛瀧権現)。
現在は山の上に社殿があるものの、元来は那智滝に社殿があり滝の神を祀ったとされる。那智の滝は「一の滝」で、その上流の滝と合わせて那智四十八滝があり、熊野修験の修行地となっている。
他の二社は、明治の神仏分離令により仏堂が廃されたが、那智では観音堂が残され、やがて青岸渡寺として復興、青岸渡寺は現在、西国一番札所である。
那智山から下った那智浜には補陀落渡海の拠点となった補陀洛山寺がある。
日本海軍の重巡洋艦「那智」の艦内神社に分祀。艦艇を擬人化したキャラクタである艦娘(かんむす)を強化・育成、正体不明の敵艦を撃破していくゲーム・アニメ『艦これ』ゆかり。
別宮に、毎年7月14日に那智の火祭として扇祭が開かれ、毎年7月9日と12月27日に御滝注連縄張替行事が行われることで知られる飛瀧神社がある。重要無形民俗文化財「那智の扇祭り」として指定されている。
扇祭は当社の例大祭でもあり、重要無形民俗文化財「那智の田楽」が奉納される。「那智の田楽」はユネスコの無形文化遺産にも登録されている。
社有林が「那智原始林」として国の天然記念物に指定されている。当社は臼田甚五郎監修『日本神社一00選』に「日本神社100選」として、また、進藤彦興『詩でたどる日本神社百選』に掲載されている。
熊野牛王符(牛王宝印、烏牛王)の刷り初めにまつわるものが正月に行われる。1月1日午前3時、那智の滝の奥の「秘所の水」を若水として汲み、1月2日にその水で烏牛王神璽摺初め式を行う。
1月8日、滝つぼの前の飛瀧神社での烏牛王神璽祭が行われ、滝の前に設定した祭壇に刷り上った牛王符を積み上げ、神職が柳の枝で打板といわれる樫の板を激しく打ち、邪気をはらう。牛王符は社務所で配布される。
日本三熊野は、当社を含む熊野三山の三社の他、熊野大社(山形県南陽市)、熊野皇大神社(長野県北佐久郡軽井沢町)の計五社。
【ご利益】
命の根源、病魔退散、病気平癒(公式HP)
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[電話]0735-55-0321
熊野那智大社(くまのなちたいしゃ)は、和歌山県東牟婁郡那智勝浦町にある神社。熊野本宮大社、熊野速玉大社とともに熊野三山を構成する。参拝すれば、御朱印を頂ける。
近代社格では官幣中社、現在は神社本庁の別表神社。熊野三山はユネスコの世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産として登録されている。熊野三山として、日本三熊野の一社。
参道の長い石段の上は、右に青岸渡寺があり、左は朱の大鳥居と大社の境内が続いている。
拝殿の奥には鈴門・瑞垣を挟んで本殿があり、向かって右から滝宮(第一殿)、証誠殿(第二殿)、中御前(第三殿)、西御前(第四殿)、若宮(第五殿)が並んでいる。
正殿の第四殿が最も大きく、若宮の左手前には第六殿(八社殿)がある。
創祀は滝への信仰として神代から、創建は第16代仁徳天皇5年と伝わる。熊野本宮大社、熊野速玉大社が十二殿あるのに対して、当社は六殿。しかし十三の宮などがある。
上五社
第一殿 - 瀧宮 - 大己貴命(飛瀧権現)
第二殿 - 證証殿 - 家津御子大神、国常立尊
第三殿 - 中御前 - 御子速玉大神
第四殿 - 西御前 - 熊野夫須美大神→主祭神
第五殿 - 若宮 - 天照大神
中四社
第六殿 - 八社殿 - 禅児宮 - 忍穂耳尊
第六殿 - 八社殿 - 聖宮 - 瓊々杵尊
第六殿 - 八社殿 - 児宮 - 彦火火出見尊
第六殿 - 八社殿 - 子守宮 - 鵜葺草葺不合命
下四社
第六殿 - 八社殿 - 一万宮・十万宮 - 国狭槌尊、豊斟渟尊
第六殿 - 八社殿 - 米持金剛 - 泥土煮尊
第六殿 - 八社殿 - 飛行夜叉 - 大戸道尊
第六殿 - 八社殿 - 勧請十五所 - 面足尊
第一殿から第六殿まで、国の重要文化財に指定されている。中四社は熊野本宮大社、熊野速玉大社とほぼ共通。下四社は熊野速玉大社と同様、神世七代を祀る。
『古事記』には天照大神と須佐之男命の誓約で生まれた八柱のうちの一柱に熊野久須毘命という神が記載されており、神名から熊野(=熊野三山)との関連が指摘される場合がある。
ともかく、家津御子大神、御子速玉大神、熊野夫須美大神など、他の二大社とも共通しているが、やはり当社の特徴は何といつても大己貴命(飛瀧権現)。
現在は山の上に社殿があるものの、元来は那智滝に社殿があり滝の神を祀ったとされる。那智の滝は「一の滝」で、その上流の滝と合わせて那智四十八滝があり、熊野修験の修行地となっている。
他の二社は、明治の神仏分離令により仏堂が廃されたが、那智では観音堂が残され、やがて青岸渡寺として復興、青岸渡寺は現在、西国一番札所である。
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扇祭は当社の例大祭でもあり、重要無形民俗文化財「那智の田楽」が奉納される。「那智の田楽」はユネスコの無形文化遺産にも登録されている。
社有林が「那智原始林」として国の天然記念物に指定されている。当社は臼田甚五郎監修『日本神社一00選』に「日本神社100選」として、また、進藤彦興『詩でたどる日本神社百選』に掲載されている。
熊野牛王符(牛王宝印、烏牛王)の刷り初めにまつわるものが正月に行われる。1月1日午前3時、那智の滝の奥の「秘所の水」を若水として汲み、1月2日にその水で烏牛王神璽摺初め式を行う。
1月8日、滝つぼの前の飛瀧神社での烏牛王神璽祭が行われ、滝の前に設定した祭壇に刷り上った牛王符を積み上げ、神職が柳の枝で打板といわれる樫の板を激しく打ち、邪気をはらう。牛王符は社務所で配布される。
日本三熊野は、当社を含む熊野三山の三社の他、熊野大社(山形県南陽市)、熊野皇大神社(長野県北佐久郡軽井沢町)の計五社。
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