史跡 玉丘古墳 石棺調査の現地説明会を開催 - 加西市
兵庫県の加西市教委は2015年3月18日、国史跡の玉丘古墳(同市玉丘町)に埋葬された石棺を再調査し、84年ぶりに全容を確認したと発表しました。国内屈指の大きさや精巧な装飾から、市教委は「大王級の石棺」と位置付けていると言います。3月21日に現地説明会が開催されます。毎日新聞が報じています。画像は現地説明会に関する案内ページ(出典:加西市)。

玉丘古墳は、玉丘古墳群に属し、古墳時代中期の前方後円墳で、全長約109メートル、前方部の幅約54メートル、後円部径約64メートルで墳丘が3段築成からなり、兵庫県下6番目の規模。

墳丘には幅約20メートルの周濠が巡らされ、出土遺物から外堤には円筒埴輪が多数並べられていたと推測されています。出土された埴輪には家形、鶏形のものも含め円筒埴輪が多いのが特徴。

この古墳は編纂1300年の節目を迎えている『播磨国風土記』の賀毛郡の条に記されている、根日女と二人の皇子との出会いから始まる根日女悲恋の物語の舞台であることが知られています。

この古墳の石棺はふた石、底石、長短の側石を組み合わせた「長持形石棺」。明治時代以前に盗掘に遭って損壊し、昭和6年(1931年)に京都大学の梅原末治博士が現地調査をした後、そのままとされていました。

今回、再調査が行われ、底石は埋葬時の位置のまま、ふた石の大きさは長さ2.9メートル、幅1.6メートルと、長持形石棺の全長としては全国で5番目に大きなものと判明、装飾の施された長持形石棺は全国で4例しかなく、そのため市教委が「大王級の石棺」とするに至ったわけです。

現地説明会は3月21日(土)10:00~15:00、小雨決行。詳しい案内はこちらから。

【関連記事】
播磨国風土記の悲恋物語「根日女伝説」、20歳女性シンガーが作詞して現代風アレンジ
伝承は実話だった? “大王級の石棺”を確認した玉丘古墳に伝えられる「根日女伝説」とは?