新島の大踊
新島の大踊(にいじまのおおおどり)
種別1:民俗芸能
種別2:風流
公開日:本村は8月15日の夕方から長栄寺で、若郷は8月14日の晩から妙蓮寺で
指定日:2005.02.21(平成17.02.21)
都道府県:東京都
所在地:新島村本村と若郷

新島の大踊は、東京都新島村本村と若郷に伝承される小歌踊で、それぞれ盆に踊られており、本村では盆祭祝儀踊、若郷では盆踊などとも称されている。大踊は、本村では8月15日の夕方から長栄寺の境内で、若郷では8月14日の晩に妙蓮寺の境内で踊られている。

新島村は、東京から南方約150キロメートルの太平洋に浮かぶ新島と式根島の二島からなり、本村と若郷はともに新島に位置する。本村は島のほぼ中央西側の海岸一帯を占める集落で、若郷は島の北部西側の海岸沿いに、宝永8年(1711年)、本村より移住した者によって拓かれた集落。

大踊は男性が務めることになっている。踊り手はカバと呼ぶ布を周囲に垂らした笠をかぶり、紋服の着流しに角帯を締め、その上に細い真田紐を結ぶ。カバは本村では紫色、若郷では赤色である。腰には印籠を下げ、頭から背に色の鮮やかな下げ緒を長く垂らす。

現在、踊られているのは、本村では「役所入り踊」「お福踊」「伊勢踊」の三演目で、若郷では「役所入踊」「備前踊」「青が丸」「伊勢踊」の四演目である。役所入り踊(役所入踊)と伊勢踊は本村と若郷の双方で伝承してきたが、お福踊は本村にのみ、また、備前踊、青が丸は若郷にのみ伝えられている。

これらの演目には、室町小歌風の歌詞がみられ、その内容は恋愛を主題にしたものが多い。歌い手は母音を長く延ばした歌い方で歌う。一曲の終わりには太鼓が打ち鳴らされるが、それ以外では伴奏楽器は用いられず、歌い手の歌のみで踊られている。

いずれの動作も歌詞の内容を表現するものではなく、歌詞と連動しない動きの連続となっている。若郷では、膝を曲げ、重心を低くし、大きくゆったりとうねるように踊る。本村では、若郷に比べて腰の位置がやや高く、扇を持っての動作もそれほど大きくはないなど、表現に相違はあるが、基本動作は共通している。踊りは役所入り踊(役所入踊)で始まり、最後は必ず伊勢踊で終わる。

保護団体名:新島大踊保存会、若郷大踊保存会
重要無形民俗文化財「新島の大踊」 - 室町小歌風の歌詞がみられる盆の小歌踊
【関連記事】
東京都の重要無形民俗文化財 - 都道府県別に整理