大観衆の中で性行為を模した劇が行われる奇祭「お田植祭」で有名な古社
[住所]奈良県高市郡明日香村大字飛鳥字神奈備708
[電話]0744-54-2071
飛鳥坐神社(あすかにいますじんじゃ)は、奈良県高市郡明日香村にある神社。
『延喜式神名帳』にある「飛鳥坐神社四座(大和国・高市郡)」に比定される式内社(名神大社・月次相嘗新嘗)。近代社格では村社。
『日本書紀』『倭姫命世記』にあるトヨスキイリビメが滞在したという「笠縫邑」に比定される場合がある、元伊勢の一つ。
御祭神は事代主神、高皇産靈神、飛鳥神奈備三日女神(賀夜奈流美乃御魂、カヤナルミ)、大物主神の四座である。
しかし、異説の多くがオオクニヌシ、タケミナカタ、シタテルなど、オオクニヌシ一族で占められている。
カヤナルミは出雲の神であることは間違いなく、『古事記』に記載はないが、トリナルミノカミなどとの関連が指摘されることもある。当社旧地の加夜奈留美命神社の御祭神である。
『出雲国造神賀詞』に「大穴持命の御子かやなるみの命の御魂を飛鳥の神奈備坐せ」とあるのが当社のことか、加夜奈留美命神社のことか。
当社地が天照大神を初めて宮中の外で祀った地「倭笠縫邑」であるとする伝承もあり、近世には元伊勢とも称していた。ただし、「倭笠縫邑」の有力な説は大神神社摂社の檜原神社。
2月第1日曜日(元は旧暦1月11日)のお田植神事「お田植祭」(おんだまつり)には夫婦和合の所作(種まき前の胤付けの意で、天狗とお多福(オカメ)が性行為、特に正常位を踊る)があり、奇祭として知られている。
境内には、男性器を模した石が多く安置されている。
このお田植祭の天狗とオカメは明らかにサルタヒコとアメノウズメ。
最後に押し倒された形になったオカメが恥ずかし怒りで天狗の襟首をつかんで青竹で天狗をたたくシーンがあるのも、『古事記』などから連想される、サルタヒコとアメノウズメの夫婦間の力関係を示唆しているようで興味深い。
しかし、御祭神の神々とは特に関係ないサルタヒコとアメノウズメ、それらがデフォルメされて発展してきたと思われる天狗とオカメによる祭事、その誕生と定着には様々な紆余曲折のドラマがあったのではないかと思いを巡らすのも楽しい。
ただし、境内には、江戸時代に遷座した山口坐神社(あすかやまぐちにますじんじゃ)がある。御祭神は、大山津見命、久久乃之知命、猿田彦命。
もとの鎮座地は不明で、当社との関係も不明だが、サルタヒコと全く無関係ではない。山口坐神社は、大和国六所山口神社の一つ。
式内社「飛鳥坐神社」「山口坐神社」はそれぞれ、神名帳の他に、『延喜式』巻3「臨時祭」祈雨神祭条に「飛鳥社四座」「飛鳥山口社一座」とあり、祈雨神祭85座に含まれる。
なお、元伊勢「笠縫邑」の伝承地は他にも数多く、いずれも奈良県で、檜原神社(桜井市三輪)の他、巻向坐若御魂神社(穴師坐兵主神社右殿、桜井市穴師)、笠縫神社(多坐弥志理都比古神社境外末社、磯城郡田原本町秦庄(秦楽寺境内))、志貴御県坐神社(桜井市金屋)、笠山荒神宮(桜井市笠)、天神社(桜井市小夫)がある。
海上自衛隊の試験艦「あすか」の艦内神社に分祀したという。2015年4月ごろ、奈良・京都など世界遺産含む寺社に油のようなものがまかれていた被害が相次いだ事件で、被害に遭った一社。
【ご利益】
家内安全、商売繁盛、子宝、良縁など(公式HP)

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[電話]0744-54-2071
飛鳥坐神社(あすかにいますじんじゃ)は、奈良県高市郡明日香村にある神社。
『延喜式神名帳』にある「飛鳥坐神社四座(大和国・高市郡)」に比定される式内社(名神大社・月次相嘗新嘗)。近代社格では村社。
『日本書紀』『倭姫命世記』にあるトヨスキイリビメが滞在したという「笠縫邑」に比定される場合がある、元伊勢の一つ。
御祭神は事代主神、高皇産靈神、飛鳥神奈備三日女神(賀夜奈流美乃御魂、カヤナルミ)、大物主神の四座である。
しかし、異説の多くがオオクニヌシ、タケミナカタ、シタテルなど、オオクニヌシ一族で占められている。
カヤナルミは出雲の神であることは間違いなく、『古事記』に記載はないが、トリナルミノカミなどとの関連が指摘されることもある。当社旧地の加夜奈留美命神社の御祭神である。
『出雲国造神賀詞』に「大穴持命の御子かやなるみの命の御魂を飛鳥の神奈備坐せ」とあるのが当社のことか、加夜奈留美命神社のことか。
当社地が天照大神を初めて宮中の外で祀った地「倭笠縫邑」であるとする伝承もあり、近世には元伊勢とも称していた。ただし、「倭笠縫邑」の有力な説は大神神社摂社の檜原神社。
2月第1日曜日(元は旧暦1月11日)のお田植神事「お田植祭」(おんだまつり)には夫婦和合の所作(種まき前の胤付けの意で、天狗とお多福(オカメ)が性行為、特に正常位を踊る)があり、奇祭として知られている。
境内には、男性器を模した石が多く安置されている。
このお田植祭の天狗とオカメは明らかにサルタヒコとアメノウズメ。
最後に押し倒された形になったオカメが恥ずかし怒りで天狗の襟首をつかんで青竹で天狗をたたくシーンがあるのも、『古事記』などから連想される、サルタヒコとアメノウズメの夫婦間の力関係を示唆しているようで興味深い。
しかし、御祭神の神々とは特に関係ないサルタヒコとアメノウズメ、それらがデフォルメされて発展してきたと思われる天狗とオカメによる祭事、その誕生と定着には様々な紆余曲折のドラマがあったのではないかと思いを巡らすのも楽しい。
ただし、境内には、江戸時代に遷座した山口坐神社(あすかやまぐちにますじんじゃ)がある。御祭神は、大山津見命、久久乃之知命、猿田彦命。
もとの鎮座地は不明で、当社との関係も不明だが、サルタヒコと全く無関係ではない。山口坐神社は、大和国六所山口神社の一つ。
式内社「飛鳥坐神社」「山口坐神社」はそれぞれ、神名帳の他に、『延喜式』巻3「臨時祭」祈雨神祭条に「飛鳥社四座」「飛鳥山口社一座」とあり、祈雨神祭85座に含まれる。
なお、元伊勢「笠縫邑」の伝承地は他にも数多く、いずれも奈良県で、檜原神社(桜井市三輪)の他、巻向坐若御魂神社(穴師坐兵主神社右殿、桜井市穴師)、笠縫神社(多坐弥志理都比古神社境外末社、磯城郡田原本町秦庄(秦楽寺境内))、志貴御県坐神社(桜井市金屋)、笠山荒神宮(桜井市笠)、天神社(桜井市小夫)がある。
海上自衛隊の試験艦「あすか」の艦内神社に分祀したという。2015年4月ごろ、奈良・京都など世界遺産含む寺社に油のようなものがまかれていた被害が相次いだ事件で、被害に遭った一社。
【ご利益】
家内安全、商売繁盛、子宝、良縁など(公式HP)

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