佐原の山車行事(さわらのだしぎょうじ)
種別1:風俗慣習
種別2:祭礼(信仰)
公開日:毎年7月9-18日の間の金・土・日曜日(八坂神社)、毎年10月第2土曜日の前後3日間(諏訪神社)
指定日:2004.02.06(平成16.02.06)
都道府県:千葉県
所在地: 旧佐原市(現 香取市)の八坂神社と諏訪神社

佐原の山車行事は、いわゆる佐原の大祭で、旧佐原市(現・香取市)の本宿の鎮守である八坂神社と新宿の鎮守である諏訪神社の両社の祭礼の附祭として行われてきた行事で、巨大な人形などを飾り付けた数多くの豪華な山車が佐原囃子の調べにのって氏子区内を勇壮に曳き回される。

江戸の祭礼文化の影響下に、享保年間(1716年-1736年)頃から山車と囃子を中心とする行列が祭礼に登場するようになり、その後、両宿ならびに各町内が意匠を競い合いながら行事を伝承する中で、江戸時代末期から大人形が山車の飾り物として現れ、今日に至っている。

本宿の山車行事は、7月中旬の八坂神社の祇園祭に行われ、寺宿、田宿、仁井宿、船戸、下仲町、上仲町、荒久、本川岸、八日市場、浜宿の10町内から山車が繰り出される。

一方、新宿の山車行事は、10月中旬の諏訪神社の大祭に行われ、下新町、新上川岸、南横宿、上宿、新橋本、下分、仲川岸、下川岸、上中宿、下宿、東関戸、西関戸、上新町、北横宿の14町内から山車が繰り出される。

山車は、いずれも四輪の二層構造で、最上部の露台とその下の囃子台とから成る。柱間には鳥獣や説話などを題材とした重厚な彫刻が飾り付けられ、露台の周囲には幕や注連縄が吊り下げられ、露台の上には巨大な飾り物が配される。

この祭りは、利根川主運を背景に繁栄した在郷町の祭りで、江戸文化の影響を色濃く受けながらも、地域的な特色を色濃く残しており、また厳格な祭り組織によって伝承されている祭りである。この祭りは、周辺の諸地域の祭りや祭囃子に大きな影響を与えており、この地方を代表する風流系の山車祭りである。

佐原の大祭は、川越氷川祭、常陸國總社宮大祭とともに関東三大祭りの一つである。

保護団体名:佐原山車行事伝承保存会
重要無形民俗文化財「佐原の山車行事」 - 江戸文化の影響と地域特色が融合した行事
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