歴史が語るもの―邪馬壱国の女王・卑弥呼
・刊行:1999/4
・著者:前島奈留夫
・出版:講談社出版サービスセンター

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日本に文字のなかった時代、卑弥呼はなぜそう名付けられたのか? 関東地方に独自の文化を築いた渡来人たちの功績とは? 悠久の過去から現代・未来へのメッセージ。我々は歴史から何を学ぶのか?新たな視点で過去と現代を語る歴史エッセイ。

管理人了
まあ、自費出版で、ヒドイ日本語ではない分よかったか。あとがきで「ボツにならなくてほっとした」というような記述があるが、自費出版なのは明らかであり、お金の問題かと。ご本人が一番よく分かっているとは思うが

邪馬壱国はいいが、古田武彦の一言も出ずに、それをあたかも当たり前のように使っている。邪馬壱国は定説としてはとらえられていないし、その由来や古田の説からどのように批判・発展・継承したかの説明は絶対的に必要。

反畿内説、とは言いえるか。畿内まで陸路で行った場合、海路(瀬戸内海航路)で行った場合のそれぞれの障碍については少し面白かった。

魏志倭人伝を現代中国語発音で読もうとするのにも失笑。しかも間違っているし。「邪」の字がどう転べばカタカナの「セ」になるのか不明。そもそも現代中国語発音に意味があるかどうかは分からないが、この「邪」の発音は、声調は違うものの、日本人が最もよく知っている中国語である「謝謝」と同じ。これを「セセ」と表記する日本人はいないと思うのだが。

まあ、思い込みにとんだ一作であり、邪馬台国問題が必ずしもメインではないので、要注意。